ハンバーガーはゼンショーの悲願? 新業態・ゼッテリアで注目すべき「価格」と「商品」:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
ゼンショーがゼッテリア攻勢を進める。同社のポートフォリオを見れば、ハンバーガーは「悲願」の立ち位置にある業態といえるだろう。中でも注目はどこなのか。外食に詳しい筆者が解説する。
えびバーガーは今後どうなる
ちなみに、ロッテリアの看板商品である絶品チーズバーガー(丸いバンズの点などがゼッテリアの商品と異なる)の価格は440円から。ダブル絶品チーズバーガーは800円からとなっている。形状も味も異なるので単純な比較はできないが、ゼッテリアでは「値下げ」しているという見方もできる。特にパティが2枚のダブルサイズはロッテリアだと800円からだったのが、ゼッテリアでは490円と、4割近くも安い。
ゼッテリアとロッテリアでは、似たような商品で使用する素材や設計を変えているため、異なった商品になっている格好だ。ゼッテリアは絶品バーガー以外にも、丸いバンズのハンバーガーを6種類販売している。その中でも注目は「えびバーガー」だ。単品が420円、セットが720円となっている。
エビバーガーはロッテリアの伝統的なヒット商品だ。1977年に開発したハンバーガーで、その爆発的ヒットによってロッテリアは大手ファストフードの一角にのし上がった。競合他社でも類似商品を展開しているが、どれもロッテリアに続く形で開発されたものである。
現在ロッテリアで販売しているエビバーガーは420円からと、価格は一部店舗を除いて同じ。ゼッテリアとロッテリアの商品では、挟まっている生野菜が、ゼッテリアではレタスであり、ロッテリアのキャベツから変更されていることが、外見上の一番の違いだ。
一方、マクドナルドのえびフィレオは400円からとなっている。モスバーガーの海老カツバーガーは480円だ。
ゼッテリアのえびバーガーは、(ロッテリアのエビバーガーも同様だが)マクドナルドより20円ほど高いが、立地によっては逆に安くなる場合もあるだろう。レタスを使っているのはマクドナルドと同じであるものの、ゼッテリアのソースはタルタルで、マクドナルドのオーロラソースとは差別化されている。
モスバーガーよりは60円安い。モスの商品はキャベツを使い、ソースはタルタルとロッテリアの商品と内容的に被っていた。味はともかく、この価格設定が立地によってどういった結果をもたらすか。こちらも、実験段階にあるだろう。
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