「信者ビジネス」は嫌われているのに、なぜイケてる企業は“テキトーな名前”をつけるのか:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
「アップル信者」「アムウェイ信者」といった言葉があるが、ビジネスの世界で「信者をつくる手法」は成功の法則とされている。しかし、日本では……。
霊感商法の次は恋愛商法――。「信者ビジネス」を撲滅する動きが広がってきている。
11月9日、参議院の内閣委員会でホストクラブが取り上げられた。18歳や19歳という若い女性が売り掛け、いわゆる「ツケ」で数百万もの借金を背負って、返済のために風俗やアダルトビデオへと斡旋されてしまう――という問題について、国家公安委員長や消費者庁が回答したのだ。
ご存じの方も多いだろうが、ホストが「疑似恋愛」で女性客の人生をめちゃくちゃにするという問題は20年以上前から普通に存在していた。例えば2010年、大阪市内で母親が自宅アパートに幼児2人を放置して餓死させるという痛ましい事件があったが、これも原因は母親がホスト遊びにハマッて抜け出せなくなっていたからだ。
では、そんな「はるか昔からあった問題」がなぜここにきて急に国会で取り上げられるようになったのかというと、旧統一教会問題と同じく「マスコミ報道」が火をつけたからだ。
中でも「めざまし8」(フジテレビ)は「悪質ホスト問題」と銘うって、連日のように「ホストにだまされた女性」や「被害者の家族」にマイクを向けて、この問題を熱心に取り上げている。
フジテレビといえば3カ月ほど前までドラマ『ホスト相続しちゃいました』を放映していた。宣伝文句を見ると「一見非常識なのに、実は芯があるイケメンホストたち」が登場して、「中毒性のあるストーリー」が展開されるという。若い女性にホストクラブの魅力を散々あおっておいて、どの口が言うのかという感じだが、それでもフジテレビが悪質ホストを追及するのは、この問題にマスコミが大好物の“キラーワード”が登場したことが大きい。
それは「マインドコントロール」だ。
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