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「9時〜17時勤務を嫌がる米国人女性」に喝! サラリーマンが患う“症候群”とはスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

会社で「9時から17時まで働く」ことはおかしいのか。「むしろ短い」「もっと働け」といった声も聞こえてきそうだが、米国の若い女性がこのことを訴えて話題になっている。SNSなどの反応を見ていると、日本を蝕む“病”がはびこっていて……。

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 「9時〜17時勤務で、帰宅は18時15分。何が不満なんだ!!」

 「『何くっそ甘ったれたこと言ってんだ』と思う自分は社畜なのか? 定時退社できるなんて最高じゃないか」

 「そりゃあ自由に時間が使えた学生から社会人になったんだし、ギャップに苦しむのは非常に理解できるが、誰もが通ってきた道だよね」

 世の中の厳しさを知らない新社会人に対して、「喝」を入れる声があふれかえっている。

 きっかけは、米国にいるブリエール・アセロという若い女性がTikTokで、大学卒業後に就職した会社について「9時から17時まで働くという設定はおかしい」と訴えて世界中でバズったことだ。

 アセロさんは、通勤時間も1時間半と長いことに加えて、9時から17時まで働くと疲労困憊(こんぱい)で、友達をつくる余裕がなく、デートの時間も確保できないことも、とてもストレスがたまっているという。


9時から17時まで働くことが苦痛という声(出典:ゲッティイメージズ)

 これを受けて、先ほどのような声がネットやSNSで盛り上がっていたわけだが、それらを眺めていて「苦労自慢」をする人が多いことに驚いた。

 「9時から17時まで働くのはヘン」というアセロさんの主張に、世の中の厳しさを分かっていないとバッサリと切り捨てて、自分がこれまでいかに長時間労働を強いられ、過酷な環境で働いてきたことを引き合いにだしながら、「すぐに慣れる」「そんなに辛いのなら転職したら」「職場の近くに引っ越したらどうか」などとアドバイスする人までいる。


毎月の残業時間(出典:ライボ)

 遠い異国の地で、労働文化も大きく異なる米国社会の若い女性が「9時から17時まで働くのが嫌」だと言っているのに、どうにかして日本の「社畜ルール」に従わせようと必死な人がかなりいるのだ。

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