調査リポート
住宅リフォーム会社の倒産、過去最悪ペース 初の「年間100件」に現実味
住宅リフォーム会社の倒産が増えている。1〜10月期間で最多だった2018年の81件を上回った。年間で100件もあり得るペースとなっている。
住宅リフォーム会社の倒産件数が、過去最多ペースで増えている。東京商工リサーチが調査結果を発表し、2023年1〜10月における建築リフォーム業の倒産件数は82件だった。調査を開始した02年以降、同期間の最多を更新した。
これまで同期間の最多件数は、18年の81件。今期間の92件のうち、原因別で最も多かったのは「販売不振」で61件(構成比74.3%)だった。形態別では「破産」が77件(同93.9%)で最多。受注低迷による破産が大半を占めていた。
負債1億円未満での倒産が71件(構成比86.5%)、従業員10人未満が78件(同95.1%)など、零細規模の事業者が多く倒産した。また、新型コロナの影響を受けた倒産は24件、物価高に関連したものは10件、人手不足の影響を受けたものは5件など、複合的な要因がうかがえた。
月次推移を見ると、8月から3カ月連続で10件台の倒産が発生している。これまでの年間最多件数は12年の98件だが、23年は初の年間100件台も現実味を帯びている状況だ。
東京商工リサーチは「資材高騰や職人不足などの構造的な問題」だけでなく、法外な代金請求など悪徳業者に関する報道なども背景にあると分析した。
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