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酔わなくてもゴクゴク幸せ ノンアル飲料市場グイグイ拡大(2/3 ページ)

ノンアルコール飲料の需要が堅調に伸びている。各社がビールだけでなく、ワイン、ハイボール、チューハイなど多種多様なジャンルで酔わずに“お酒”を楽しめる商品を打ち出しており、ノンアルコール専門のバーも登場した。

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産経新聞

新たな主戦場に

 ビール会社を中心に各社がノンアルコール飲料の強化に乗り出したのは15年ほど前にさかのぼる。それ以前からアルコール度数が0.1〜0.5%程度で、アルコールがほとんど含まれていないビールテイスト飲料はあったが、キリンビールが平成21年にアルコール度数0.00%を実現した「キリンフリー」を発売し、完全ゼロを世界で初めて達成した。

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「ヴァージンカクテルバーEnn」で人気の柿を使ったノンアルコールカクテル=大阪市北区

 背景には、飲酒運転が社会問題として認識され始め、罰則が強化されたことがある。こうした状況の中、キリンは運転時やスポーツ後など、飲めなかったり、飲むのを躊躇(ちゅうちょ)したりしていた場面に注目。安心してビール気分を楽しめるよう、ノンアルコールながら飲みごたえとキレのあるおいしさを追求した商品を実現した。現在は後継商品として「グリーンズフリー」を販売。好調に売り上げを伸ばしている。

 キリンの発売後もアサヒビール、サントリー、サッポロビールなど大手がこぞってノンアルコール市場に参入。サントリーでは、現在5ブランド16種類を定番商品として展開し、ビールテイストだけでなく、ワイン、梅酒、ハイボールとジャンルを広げ、ノンアルコールの戦略を活発化させている。同社の担当者は「コロナ禍で健康志向が高まったこともあり、日常生活の中でノンアルコールが定着してきた。今後も注力領域としてマーケティングを強化していく」と強調する。

 ビール各社以外にも、月桂冠などの日本酒メーカーも流れに追随。ノンアルコール分野が販売競争の新たな主戦場になりつつある。

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