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「日産」創立90年、どこで歯車が狂ったのか トヨタの背中は遠く(3/3 ページ)
日産自動車が26日、創立90周年を迎える。日本の自動車産業をトヨタ自動車とともにリードしてきた存在だが、元会長のカルロス・ゴーン被告の逮捕後の混乱を経て、企業価値を示す株式時価総額は40兆円超のトヨタの約18分の1で、ホンダやスズキも下回る約2.3兆円と低迷する。。
「技術の日産」と称される開発力は健在だが、「ルノーにも翻弄され、経営戦略やマーケティングと歯車がかみ合わなかった」(東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリスト)ことが沈下を招いた。
今秋の「ジャパンモビリティショー」で披露した次世代の「全固体電池」を搭載する新型EVのコンセプトモデルなどは反転攻勢を期待させるが、歯車が狂ったままでは世界初の量産EV「リーフ」を業績の大きな牽引(けんいん)役に育てられなかった二の舞になりかねない。
一方で、技術と市場ニーズがかみ合い、売れる車で稼働率が高まれば創業者精神が息づく最新生産ラインの効率性が収益力改善にも貢献する。次の10年でトヨタの背中が近づくのか、さらに遠のくのか。カギは戦略の司令塔が握っている。(池田昇)
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