3つのチェックポイント
以下のチェックポイントを自分の中で作り、報連相をしてこない部下に向き合っていく必要があります。
チェックポイント1:目標達成に自信があるか
営業スタッフは目標を掲げられていることが常です。その目標をどのように捉えているかで、報連相の頻度が変わってきます。目標達成に自信がある場合、自力で達成できるわけですから、当然のように相談は減ります。
このような状態を放置するのは非常に危険です。なぜなら「自分にとって上司は必要ない」という考えが芽生える恐れがあるからです。対処法は、目標を上げることです。目標を上げ、上司に適宜相談しながら進めないと達成できないようにします。
チェックポイント2:目標達成実績が十分か
次に確認してほしいことは、部下が過去に目標達成した実績が十分あるかどうかです。全くない、もしくはほとんどない場合、その営業スタッフはすっかり自信を喪失しているか、場合によってはすでに離職に向けて行動を開始しているかもしれません。そのような営業スタッフは、当然ながら相談に来る頻度も少なくなるでしょう。
対処法は、その営業スタッフに適切な目標水準に変更することです。「これならいける!」と思える目標に変更することで、相談の頻度が増えていくと思います。
チェックポイント3:相談に対する応対が適切か
これまでのチェックポイントを一言でまとめると「適切な目標が設定されているならば、目標達成のために相談をしてくる」ということが言えます。全ての営業スタッフに適切な目標設定がされていることが、報連相が活発な営業チーム作りの大原則です。
ただ、そこにノイズが入る状況があります。それが“過度な相談”です。
「この商談相手にはどのように提案すべきでしょうか?」
「提案書を作りたいのですが、どのような流れがよいでしょうか?」
「このようなメールが来たのですが、何と返信すればよいでしょうか?」
このような相談に対して返答してしまうと、実質的にその営業活動は上司が行うことになってしまいます。部下側からすればラクですし、成約にならなくても「上司のせい」と考えることが出来ます。
このようなタイプの部下に適切に対処しないと、「相談したのに自分で考えろと言われた」といったうわさが出回ったり、上司の仕事の停滞を防ぐために相談を受け付ける時間が限定的になり、相談しにくい雰囲気が部署内で出来上がったりしてしまいます。
上司に責任をなすりつけてくるような相談を受けた際は「まずは自分で案を考えてみて。それについて意見するから」「私だったらこうするけど、最終判断は自分でするんだよ」など、適切な相談が維持されるように指導していくことが重要です。
報連相は目的ではなく手段
このように報連相、その中でも特に相談は、部下からさせることは簡単ではありません。部下が相談するようになっても、適切な内容でなければ逆効果になってしまう……。正常運転を維持するのがなんとも難しいものです。
正常な相談を阻むものには、上司と部下の人間関係など、他にもいろいろと要因を挙げることが出来ます。ですが、共通して部下からの相談を適切な状態で維持するために必要な考え方は「目的ではなく手段として部下が相談をしているか」という観点です。
相談とは、目的を達成するための手段として行われるものです。相談が行われない、つまりは手段が使われないということは、手段が不要だと思われている、目標を達成しようという気持ちがない、手段が身近な存在ではなくなってしまっている、といったことが考えられるでしょう。
「相談をさせるにはどうすればよいか」ではなく「相談をしたい状況になっていないのはなぜなのか」と、本来は使いたいはずのものをなぜ使わないのだろうか? という観点で部下を見てみてください。相談が滞る原因を見つけやすくなるはずです。
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