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日本のGDP「4位転落」にうろたえるな 経済成長率は低迷が続くのか森永康平の経済闘論(1/2 ページ)

日本の2023年の名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれ、世界4位に転落する見通しが報じられた。この見通しは暫定的なものであるが、確定させるためには日本の23年10〜12月期のデータを待つだけの状態であるから、確度は現時点でも十分に高いことは間違いないだろう。

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 日本の2023年の名目国内総生産(GDP)がドイツに抜かれ、世界4位に転落する見通しが報じられた。この見通しは暫定的なものであるが、確定させるためには日本の23年10〜12月期のデータを待つだけの状態であるから、確度は現時点でも十分に高いことは間違いないだろう。

 このニュースはショッキングに受け止められたらしく、SNS上では本件をフックにして日本経済を悲観する意見が散見されたが、少し落ち着いた方がいい。

 まず、名目GDPということは、物価変動の調整はされていない。つまり、日本よりもインフレ率が高いドイツは、物価上昇によって名目GDPが押し上げられている。また、国際比較をするために通貨をドルで算出し直している関係上、円安(つまりドル高)が進行した日本ではGDPが目減りしている。

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日本の成長率は低迷が続くのか

 順位が転落する見通しというニュースを受けて「日本経済はもうダメだ」とか、「ドイツ経済は素晴らしい」といったコメントも見られたが、暫定値ではあるがドイツの23年の実質GDP成長率は前年比0.3%減だ。コロナ禍が始まった20年以来のマイナス成長となっている。つまり、低成長だけど高インフレというスタグフレーションなのだから、ドイツ経済自体も明るい状態ではないといえるだろう。

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