電子部品大手8社の令和5年4〜12月期決算が5日、出そろった。ニデック(旧日本電産)を除く7社が減益となった。自動車生産が回復基調となったことで車載部品は堅調に推移したものの、スマートフォンやコンピューター関連の需要回復が想定以上に遅れており、業績の下押し要因となっている。
昨年から続くICT(情報通信)市場の低迷が電子部品メーカーへの逆風となる。中国向けのスマホ需要などは底を打ったとされるが、回復の動きは鈍い。中国経済低迷による投資の停滞なども追い打ちとなり、京セラやニデックなど5社が6年3月期の最終利益予想を下方修正した。
京セラの谷本秀夫社長は決算会見で「半導体関連や電子部品も顧客の在庫調整がいまだに終わっていない」と指摘。中国のスマホは少しずつ回復しているが価格の安い製品が中心で、「販売台数のわりにはわれわれの部品は回復していない」として売上高、最終利益ともに通期予想を下方修正した。
村田製作所は自動車生産の回復によって車載部品は伸びたが、ゲーム機向けのリチウムイオン電池やスマホ向けのセンサー、基板などの需要が低迷した。また、能登半島地震によって30億〜50億円のマイナス影響が出る見通しで、6年3月期までに計上する。
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