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ダイハツ再建のカギ 経営を握る“トヨタ支配”の当事者意識(2/2 ページ)

認証試験不正の再発防止策をまとめ、新経営体制も固まったことで、信頼回復に向けたダイハツ工業の再建が本格化する。不正行為を行ったダイハツの体質改革が不可欠なのは言うまでもないが、その改革の実効性を高める上で重要なのは再建の成否を握るのは親会社のトヨタ自動車だというトヨタ側の当事者意識だ。

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産経新聞
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一体化も検討したが

 一方、経営再建ではダイハツのものづくりが変わる。現場に余力を持たせるため、車両開発の標準日程を従来の1.4倍に伸ばすことで、迅速な商品投入に支障が出る恐れがある。海外向け小型車事業もダイハツの負担軽減のためトヨタの関与が強まる方向で、開発業務量の減少がダイハツの開発現場の地力低下を招かないかも懸念材料だ。

 井上氏は「次々に商品が出てくることが競争力につながるわけではない。必要な時に必要なタイミングで出てくることが大事だ」と強調。佐藤氏もスピードは落とすが、ダイハツの強みにこだわり、業務を見直した余力で「未来に向けた体制を立て直す取り組みをやっていく」と不安を一蹴するが、トヨタの今後の関与の仕方でダイハツの競争力は変わってくる。

 再建に当たり佐藤氏は「トヨタとの一体化も検討した」が、ダイハツらしさを生かす上で経営幹部を送り込む従来形態を踏襲した。ただ、「(井上氏ら)現場に入り込んで指揮できる」人材を新経営陣にえりすぐることで実質的な現場への関与は強めた。品質への信頼を取り戻すだけでなく、持続的な成長力も備えるダイハツの真の再建へトヨタが担う責任は重い。(池田昇)

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