SEVENTEENの「THE CITY」 HYBE JAPANトップに聞く新時代のプロモーション(2/2 ページ)
BTSやLE SSERAFIMなどのスターを輩出し続けるエンターテインメントライフスタイルプラットフォーム企業HYBE。同社がグローバルに展開しているユニークな公演ビジネスモデルが「THE CITY」だ。同社の日本本社HYBE JAPANのハン・ヒョンロックCEOに戦略を聞いた。
THE CITYは新時代のプロモーション
ハンCEOは、今後のTHE CITYの展望を以下のように語る。
「これは事業であり、プロモーションであり、マーケティングであり、ブランディングです。ただ優先順位の1位はファンの体験価値を高めていくことです。収益だけを追求しても面白いプログラムはできません。費用をたくさん使っても拡大には限界があります。だからバランスが重要なのです。
インバウンド需要の高まりから、海外からのファンの参加を見据えて、特に韓国語、英語、中国語と多言語化対応をしていく考えです。日本の地域の活性化と魅力を発信することによって地方自治体、地元企業などと提携し、顧客体験を最大化させたいのです」
THE CITYは政令指定都市のような大都市で開催された。県庁所在地の人口規模で展開する可能性については「簡単ではありませんが、公演を開催する都市での実施は検討していきたい」と話す。前提となる条件が合えば、どこででも開催していきたいようだ。
「HYBEやHYBE JAPANの力だけでは難しいのです。例えば今回デジタルスタンプラリーの特典引換所として協力していただいた三井不動産の施設のように、大規模な商業施設での協力が必要になることもありますし、基本的なインフラが整っている必要があるからです。地方創生を一番の目的とするというよりは、ファンの体験価値を高める努力をした結果、地域が潤う流れになると思います」
以上がHYBE JAPANが企画したTHE CITYの戦略だ。日本では、AKB48が「ファンとの接点を増やす」狙いからCDに握手券をつける「AKB商法」が生まれた。K-POPでも特典券をつけるなど、そのやり方が踏襲されてきたイメ−ジがある。
ただHYBEの手法は、それだけにとどまらない。動画配信やWeverseの開発などデジタルツールの活用に注力しながら、日本の地方都市まで巻き込む新世代のプロモーション方法を生み出したのだ。外国市場に進出する際、新しい発想と方法を遂行することが重要であることを示唆している。
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