調査リポート
「ゾンビ企業」が業界に悪影響、3社に1社が「感じる」 最も多い理由は?(2/2 ページ)
不健全な経営にもかかわらず政府や銀行などの支援で延命する「ゾンビ企業」が市場に「悪影響を与えている」と、3社に1社が考えている。そんな結果が、東京商工リサーチが実施した調査で分かった。
約3割が事業の継続に融資や補助金などが「必要」と回答
融資や補助・助成金がないと事業の継続が難しい状況であるかについて、「非常に感じる」と「少し感じる」は合わせて31.2%だった。規模別では、大企業で「感じる」が18.4%に対し、中小企業では32.6%だった。
業種別でみると、「感じる」では「社会保険・社会福祉・介護事業」が68.1%、「感じない」では「保険業」の100.0%が最も多かった。
人口減少や賃上げ、海外企業の台頭などを背景に、生産性や稼ぐ力の向上が注目される中で、ゾンビ企業には厳しい視線が向けられがちだが、東京商工リサーチによると「ゾンビ企業の定義はさまざまで、ひとつの基準でゾンビ企業を切って捨てたり、支援の是非を問うことは難しい」という。
利益率や財務内容が見劣りするなど、資金的に自立出来ていないだけでゾンビ企業と安易に批判はできない一方で、今回の調査では「全体から吸い上げて補助・助成金を配分するのではなく、吸い上げる税金を少なくするべき」との意見も寄せられた。
同社は「市場原理にどこまで介入するのが全体最適となるのか、『ゾンビ企業論』は社会のあり方も問いかけている」と分析した。
調査は2月1〜8日にインターネットで実施。4584社の回答を集計・分析した。
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