急に売れ出してサントリーもびっくり!? 調べてみたら「JJ」ブーム ジャスミン焼酎をリニューアルした背景(3/3 ページ)
2019年ごろから、サントリーの「ジャスミン焼酎〈茉莉花(まつりか)〉」が急に売れ出した。不思議に思って調査をしてみると、意外なブームが背景にあることが分かった。
若者から上の世代への広がり
家庭で気軽に楽しめるように「茉莉花〈ジャスミン茶割・JJ〉缶」を4月9日から全国で発売する(3月上旬から全国のコンビニで先行発売)。希望小売価格は税別167円で、アルコール度数は4%とした。茉莉花に合うように、3種類の異なる特徴の茶葉をブレンドし抽出したジャスミン茶を使用しているのが特徴だ。
缶のデザインでは、「茉莉花」よりも「JJ」の文字を目立つようにした。これは「JJってなんだろう?」「JJを飲んだことあるから買ってみよう」といった効果を狙っている。
コンビニで先行販売して、どういった傾向が見えてきたのか。まず、購入する人は20〜30代が多い。そして、リピート率も高いのが特徴だ。永尾氏は「炭酸系の飲料が比較的多い中、非炭酸で飲みやすいというのがリピートにつながっているのではないかと考えている」と説明する。SNSの反響を調べると「甘くない」「香りがよい」「飲みやすい」といった声が目立つ。サントリーの代表的な低アルコール飲料として「ほろよい」シリーズが挙げられるが、茉莉花の缶は「ジュースのような甘くないお酒が飲みたい」というニーズに対応できているようだ。
また、普段からお酒を良く飲んでいる人からは「ずっと炭酸系のお酒をのむのはしんどくなるから、2〜3杯目にちょうどいい」という声も寄せられている。
若者の酒離れが指摘されている中で、JJは若者を中心に支持され、徐々に他の層にも広がりを見せている。永尾氏は「これまで、お酒は職場の先輩など、年上の人から飲み方を教えてもらうシーンが多かったように思います。しかし、JJは若者から年上の人に広がっている。こうした現象は珍しいのではないでしょうか」と説明する。
JJブームを背景に、茉莉花はどこまで売り上げを伸ばせるか。
関連記事
- 苦戦していた「サントリー烏龍茶」に反転攻勢の兆し 「そういえば最近飲んでない」問題にどう向き合ったのか
1981年発売のロングセラー商品「サントリー烏龍茶」は、近年ダウントレンドが続いてきた。しかし、戦略を見直すことで反転攻勢の兆しが見えてきた。 - 大ヒットしたスポドリ「DAKARA」はなぜ麦茶に? 社内の反対を押し切った起死回生の一手とは
サントリー食品インターナショナルが発売したのが「ライフパートナーDAKARA」。人気商品に成長したダカラだったが、その後低迷。起死回生の一手として、スポーツドリンクらしからぬ転身を図った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.