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なぜ、大阪王将“ナメクジ騒動”告発者は逮捕された? 意外と知らない「公益通報」のあれこれ:働き方の「今」を知る(2/4 ページ)
「大阪王将」のフランチャイズ店でのナメクジの発生などの不衛生な状態を告発した元従業員が、フランチャイジーであるファイブエム商事の被害届により威力業務妨害の疑いで逮捕された。本件を概要だけ聞いて「企業に問題があっても、訴えられる可能性があるなら内部告発なんてできない」「たとえ内部告発されても、告発者を訴えればいいのか」などと判断するのは早計だ。本記事では、今後類似の騒動が発生しないために、時系列で何が起きたか、そして何が問題だったのかを解説する。
元従業員の告発は、何が問題だったのか?
では、何が問題だったのか、そして公益通報で保護されるはずの元従業員はなぜ刑事告訴されてしまったのか。報道当初にネット上でよく見られた誤解を解きながら解説していこう。
「内部告発者を訴えるなんて、大阪王将は酷い会社!」
内部告発した元従業員を威力業務妨害で訴えたのは「大阪王将」ではなく、「大阪王将 仙台中田店」をフランチャイジーとして経営していた宮城県仙台市の「ファイブエム商事」である。
「元従業員男性は会社を辞めてしまっていたから、公益通報者が保護される法律上の要件から外れてしまい、逮捕されたのだ!」
退職者であっても、退職後1年以内に公益通報すれば、その後は無期限に保護される決まりがあるので、退職者かどうかは無関係である。
「偽計等業務妨害」って、ウソを広めたときの罪でしょ? ナメクジは実際にいたのになんで捕まるの?
確かに投稿写真にナメクジは1匹写っていたが、「大量にいる」として情報を拡散した点が「人を欺く行為」に当たると判断されたものとみられる。
現時点での結論
元従業員の告発は「善意」や「正義感」によるものではなく「店側とトラブルを抱えていたゆえの腹いせ」であり、実態としては「誹謗中傷」に当たると判断されているようだ。
しかも、店側は休業からのフランチャイズ契約解除、閉店までを余儀なくされており、実際の金銭的被害も出ている以上、相当悪質なものと扱われることになるだろう。
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