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「会議室を探す時間」を“月250時間”削減 三菱自動車が導入した新システムの中身(2/3 ページ)

社員に働きがいを見いだしてほしいと願う三菱自動車ファシリティマネジメント部では、高い生産性を阻害する原因を突き止めた。それは「探す」時間が多いことだ。新オフィスビルの竣工に伴い、無駄な時間を徹底的に省くシステムを導入した。

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月約250時間の削減 浮いた時間は「生産性の高い仕事に」

 完成した三菱自動車仕様のSmartOfficeNavigatorは、コーポレートカラーである白、黒、赤、グレーをデザインに取り入れることで「使用中に、うちの会社のシステムだと感じられるようにした」と甲能氏。「見栄えを良くすることで、使ってもらいやすくなったと思う」と語る。

SmartOfficeNavigator
三菱自動車が内田洋行と協創して完成した三菱自動車仕様の「SmartOfficeNavigator」

 実際、2019年の導入から6カ月後のアンケートでは岡崎地区で働く社員の70%に認知されており、非常によく使っている、またはたまに使っていると答えた人が69%と、高い割合で使われていることが分かる。

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SmartOfficeNavigatorと会議室予約・運用システム「SmartRooms」を連携させている

 1カ月当たりの利用回数は4000〜5000回に上る。「会議室を探す時間を、1回当たり3分短縮できたとしたら、1カ月で1万5000分、時間に直すと250時間を短縮して、余剰時間を生み出したことになる。その分、生産性の高い仕事に時間を割り当てられる」と加藤氏は顔をほころばせた。

 18年10月に完成した当初の新オフィスビルは座席固定だったため、導入した19年時点では社員の居場所検索機能は不要だった。しかし、コロナ禍を経て設計本館をリニューアルし、1階、3階部分をフリーアドレス化。これに伴い、同ツール内に居場所検索機能も拡充した。設計本館だけでなく、開発本館の従業員も誰がどこにいるか検索したり、混雑状況を把握したりできる。

 スマートオフィス化の取り組みは、ツール導入のみにとどまらない。Wi-Fiを強化し、建物内のどこにいても働ける環境整備や、食堂のメニュー情報を建物内のサイネージで表示するなど、さまざまな整備をした。

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