ファミマ、ローソンと初の共同輸送 「物流2024年問題」に向けて東北エリアで開始
ファミリーマートとローソンは4月11日、東北地方の一部地域において共同輸送を開始する。実験を除き、両社が共同輸送を行うのは今回が初。
ファミリーマート(東京都港区)とローソン(東京都品川区)は4月11日、東北地方の一部地域において共同輸送を開始する。実験を除き、両社が共同輸送を行うのは今回が初。アイスクリームや冷凍食品などを同じトラックに混載し、車両台数およびCO2排出量の削減を目指す。
ファミリーマートとローソンは、2020年8月と22年2月に実施した大手コンビニエンスストア3社の共同配送実証実験に参加した後も、商品の安定供給と物流網の維持・構築を目指し、両社で協議や実験を継続してきた。
今回、両社の配送拠点の位置が条件に合致したことと、トラックに混載するスキーム構築が整ったため、共同輸送の実現に至った。今後は他エリアへの拡大も視野に検討を進める。
両社は、宮城県・岩手県の各在庫拠点から秋田県の配送拠点への輸送便をそれぞれ運行しており、今回は冷凍商品の輸送において輸送車両にスペースが発生する場合に、1台に積み合わせて共同輸送を行う。物量が比較的安定する4〜6月と9〜11月に実施する予定だ。
輸送ルートとしては、ファミリーマートの物流拠点(宮城県多賀城市)で商品を積載して出発し、ローソンの物流拠点(岩手県盛岡市)で商品を積載する。その後、ローソンの物流拠点(秋田県秋田市)、ファミリーマートの物流拠点(秋田県)でそれぞれの商品を降ろす。
ファミリーマートでは、関東エリアにおいて2月からコカ・コーラ ボトラーズジャパンとの共同配送を実施しているほか、AIを活用した配送シミュレーターの自社開発や、曜日別配送を導入するなど、「物流2024年問題」に向けて取り組みを進めている。
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