「ダークパターン」とは何か 大企業も平気に使っている背景:信頼を失う「愚かなやり口」(2/3 ページ)
Webサイトにおけるダークパターンはユーザーを欺くための「短期的には効果的な手法」だが、長期的に見れば当該企業への信頼を失うことにつながる「愚かなやり口」だ。
パターン5:Fake scarcity(希少性の偽装)
商品やサービスが入手しにくい・希少性が高いとユーザーに思わせ、購入機会を逃すことを恐れたユーザーに行動を促すもの。例えば、商品のカート付近に「在庫あと1点」「在庫僅少」といった虚偽のメッセージを表示して不当にユーザーを焦らせる行為が該当する。ECサイトでよく見かけるやり口だ。
パターン6:Obstruction(障害物)
過度な障害を設けてユーザーが希望する行動を取らせない手法。例えば、登録は簡単にできるのに、解約の場合はとんでもなく複雑なステップを取らせるとか、カスタマーサポートに電話せねばならないのに、その電話がなかなかつながらずに結局諦めさせるなど、実に様々なパターンがある。小生も、大手通信企業やソフトウエア企業のサービスでこの手口に悩まされた。
パターン7:Forced action(強制)
ユーザーが希望の行動を行うために、望ましくないアクションをユーザーに強要する手法。例えばCookie同意のポップアップ確認ボタンをクリックしないとコンテンツを閲覧できないとか、商品の情報を見たいだけなのに、個人情報を入力してアカウントの作成を強制するようなケースがこれに該当する。グローバルなIT企業や会計士企業で未だにこのやり方を採っているところも少なくない。
さてこうして見てくると、意外と大手企業や有名ECサイトでもダークパターンを平気で使っているところが少なくないことに気づくはずだ。
しかしダークパターンに引っ掛かったことに気づいた、または解約に難儀したユーザーからは「二度とこんな企業から買うもんか」と反発される可能性が高い。その仕掛けに気づいたユーザーからは少なくとも不評を買う。へたをするとSNSで炎上しかねない。ろくなことはない。
それなのになぜこんなに「流行」していて、しかもずっと続けているサイトが多いのだろう。
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