スバル、山崎製パン、キリン……相次ぐ“事故” 問題の根っこに何がある?:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
2月にはスバルや山崎製パン、4月にはキリンビールの工場でも、事故死が発生している。なぜ今、「工場死」が相次いでいるのか。
日本の工場で「悲劇」が続いている。
2月13日、群馬県太田市にあるスバルの群馬製作所矢島工場で、崩れた金型に挟まれて作業者が死亡する事故が発生した。翌14日には、岡山県笠岡市にあるJFEケミカル西日本製造所笠岡工場で、水や薬品をためておく深さ2メートルのピットに作業員が転落して亡くなった。
それからほどなくして24日、今度は日本の「安くてうまい食」を支える企業で悲劇が起きる。千葉市美浜区にある山崎製パン千葉工場で、60代のパート勤務女性がベルトコンベヤーと搬出装置の間に落ちた加工品を取ろうとしたところ、腕や上半身を装置に巻き込まれ亡くなってしまった。この事故で過去(2020年、2015年、2012年)の死亡事故も蒸し返されて「ブラックな企業体質のせいでは」という声も上がっている。
3月26日には、建設機材の部品などを製造するカネソウの三重県朝日町の工場で、作業員の男性が自動造型機のプレス部分に頭を挟まれて死亡。4月10日には、アルミ製造大手UACJの深谷製造所敷地内で、50代の男性作業員がやはり機械に挟まれて搬送先の病院で亡くなっている。
そして、4月20日にはショッキングな死亡事故が発生する。茨城県取手市のキリンビール工場でタンクのつまりを解消するために作業をしていた清掃員の男性が、コーンスターチの中で倒れているのが見つかり病院に搬送されたが、そのまま死亡が確認されたのだ。ちなみに、この工場では2023年10月にも倉庫の屋根で清掃作業をしていた男性が転落して亡くなっている。
これらは「氷山の一角」にすぎない。直近2カ月の名の知れている企業の死亡事故をピックアップしただけで、その時は一命を取り留めたがしばらくして亡くなったケースや、個人経営の小さな工場にまで対象を広げれば、数はもっと膨れ上がる。
なぜ今、「工場死」が相次いでいるのか。
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