もはや子どものおこづかいじゃ買えない? コンビニ各社が「高級アイス」に注力する納得の事情(4/5 ページ)
コンビニ各社が高級アイスへのシフトを始めている。一体どのような背景で進め、どんな取り組みをしているのか。現地調査を交えて考えてみた。
この松竹梅戦略は、商品販売の原則で、松と梅を見せることで中心価格帯の竹をしっかりと販売していくための戦略です。セブンはその竹にPB商品を投入することで、アイスで粗利を稼ぐ方針を打ち出しています。
筆者が視察したセブンの店で品ぞろえしていたアイス、全54商品のうち、松といえる300円以上の品ぞろえは、13(店頭で作るヨーグルトスムージー4商品を含む)。100円以上200円未満の竹が40商品、100円未満の梅が1つという状況でした(マルチパックは含めず)。150〜200円である竹商品の品ぞろえは、8割近くに及びます。まるでシリーズなどのPB商品を竹に多く投入しつつ、松の価格帯でもPBを増やし始め、アイスクリームのプレミアム化を進めているようです。
「まるでクラウンメロン」を食べてみた
セブンが力を入れている「高級アイス」はどんな味なのでしょうか。実際に食べてみました。食べたのは、セブンが4月15日から投入を始めた「銀座千疋屋 まるでクラウンメロン」(321円)というアイスバーです。
同商品のコンセプトは「銀座千疋屋の知見を生かし、静岡県産のクラウンメロンを使用したシリーズ史上初の高級な味わいを目指す」といったもの。一口食べると、その言葉に負けず劣らず、確かに「まるでクラウンメロン」な味です。メロンの風味がしっかり伝わってきます。セブンのロゴがなく、パッケージに銀座千疋屋のロゴだけであれば、500円以上しても不思議ではない商品だと思いました。もはや、従来のコンビニスイーツを超えるような商品が、アイスクリームに登場した――そんな印象を受けます。
セブンを筆頭に、コンビニ各社はアイスクリームの商品開発に力を入れ、さらに売り上げを伸ばそうとしています。それは、コンビニのメイン客層である40代以上の大人が、よく購入する商品だからです。実は、アイスクリームの購入者で最も多い層は、40代なのです。
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