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効果を最大限引き出す 相談相手の選び方ビジネスを成功に導く「相談の力」(2/4 ページ)

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専門性の高い人は“2種類”存在する

 見立ての精度が上がり、アイデアのプロトタイプを実際に試したり想定顧客に直接聞いたりするなど、一度でも検証している仮説段階へと進むと特定分野の専門的な知識や深い経験を求められることが増えます。

 この段階で相談すべきなのは、「専門性の高い人」です。注意点としては、専門性の高い人には大きく2種類いるという点です。専門性の高い人と聞くと多くの人が、その分野の第一人者や大学教授、著名なコンサルタントなど、それなりの権威や肩書を持つ、いわゆる「専門家」を思い浮かべるかもしれません。しかし、同じ専門性の高い人でも「実践知が豊富な人」と「見識が広い人」では得意分野が全く違います。


相談する人によって回答にも違いが(画像提供:ゲッティイメージズ)

 実践知が豊富な人は、プロジェクトや事業を前に進めるために自ら仮説、検証を繰り返し、実践を通じて知識を深めてきた人です。その人ならではの一次情報を大量に持っています。行き詰まっていたプロジェクトを前進させてくれるような、手触り感のあるアイデアやアドバイスがもらえるはずです。

 見識が広い人とは、修士号や博士号を持っている人、大学教授などのいわゆる研究職に携わっている人、多様な企業と接点を持つコンサルタントなどが当てはまります。専門領域における先進的な事例や社会の流れだけにとどまらず、幅広い見識と網羅的な視点を持っています。それ故、相談すると多様なケースを共有してくれたり、時流に沿ったフレームワークを教えてくれたりします。

 大ざっぱに言えば、ネクストアクションが見えなくなったら実践知が豊富な人を相談相手に選んでください。なお、実践知が豊富な人の中には、相談しに来た人が「どこまで行動しているのか?」を見て本気度を探る、という人も多いので、自分なりに検証時に得た一次情報をしっかり伝えるよう心掛けましょう。

 一方、自分たちが進めている事業やプロジェクトが、社会やマーケットから見てどんな価値や意義があるのか? など、目の前の事に集中し過ぎて視野が狭くなっているタイミングでは、見識が広い人を相談相手に選ぶと良いと思います。

 自分が見えていない選択肢を確認できるため、社会全体の視点を得られ、説得力が増し、相手に伝わりやすくなるはずです。

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