皆さんが「2024年に総務として力を入れたいテーマ」は何だろうか。元日の能登半島地震を機に自社のBCPを振り返った担当者の方も多いだろう。あるいは、いつの時代にもある悩みとして、経費削減の必要に迫られている人もいるかもしれない。
月刊総務で毎月実施している「月刊総務調査」では、この質問に対し「社内コミュニケーション」が1位となった。2023年に続いての首位だ。
新型コロナウイルスが5類に移行して、早一年が経過した。今、社内コミュニケーションに注目が集まるのには、コロナ禍で傷んだ組織の修復という背景があるのかもしれない。
社内のコミュニケーションの基盤となる情報を周知させるのに役立つのが、社内報などの社内メディアだ。社員のモチベーションを刺激したり、ふとした雑談のきっかけにもなったりすることもあり有用だ。しかし、社内報は読まれなければ意味がない。今回は、読まれる社内報のコツをお伝えする。
「読ませる社内報」に欠かせない3つの要素
社内メディアの目的は、当然ながら「発行する」ことではない。読まれるだけではなく、「行動につなげる」ことを目的に発行している。知ってもらい、理解や納得、共感につなげ、そして行動してもらうことを目指す。
これを踏まえて、どのように読んでもらうかの設計が必要となる。切り口は下記の3点だ。
- 読みたくなる「内容」:読者を振り向かせる
- 読みたくなる「切り口」:読者に当事者意識を持たせる
- 読みたくなる「見せ方」:読者が読みやすい、親切な誌面構成
この3点を意識して社内メディアは設計され、毎号企画立案と編集がなされていく。前提として「読者(=社員)を知らなければならない」ということは言うまでもない。
「読まれてなんぼの社内メディアではありつつも、全員に読ませることは無理」というパラドックスがある。それぞれの従業員の持つ知識や置かれている環境、価値観などは異なる。「全員が読みたくなる、読んで理解できる企画」は存在しない。それを目指してしまうと、角が取れて丸くなり、結果として「誰にも刺さらない、記憶に残らない平板な企画」となってしまうだろう。
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