日米韓チェーンが激突! マムズタッチ進出で活況の「渋谷バーガー戦争」、それぞれの戦略:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
渋谷で新興ハンバーガーチェーンがしのぎを削っている。しかも、日本に米国、韓国発のチェーンが入り乱れるなど、国際色も豊かだ。各チェーンの現状と戦略を探っていく。
KFCの動向は?
その他、気になるのがフライドチキンの王者であるケンタッキーフライドチキン(KFC)の動向だ。KFCは2022年12月16日に道玄坂店をクローズし、現在まで渋谷に店舗はない。その空白地帯を狙ってマムズタッチが入ってきたともとれるだろう。
韓国のマムズタッチに対抗して、というわけではないだろうが、KFCでは、5月29日から期間限定で「ザ・アメリカンバーガーズ」と称する本格派バーガー3種を発売している。KFCが本格派バーガーと称し、かつわざわざアメリカンであることを強調して、商品を販売するのは珍しいことだ。
紙袋やカップなどの包材もKFC創業時を思い起こさせる、レトロアメリカン仕様になっている。コロナ禍の最中でも好調を維持し、フライドチキンで独走しているKFCがマムズタッチの登場で刺激を受け、商品開発にいっそう力を入れてくれるなら、喜ばしいことだ。
渋谷に集結しつつあるハンバーガーチェーンは、いずれも手作り感を強調し、健康志向にも寄り添ったプレミアム感のある商品を提供しているのが特徴だ。原田泳幸氏が自身のYouTubeチャンネルで「渋谷のマクドナルドは広告塔として出店しているが、家賃が高く採算が取れていない」と述べたことがあるほどの難しい場所ながら、各チェーンがそれぞれの方法で付加価値を追求して、高い集客力を発揮しながらチャレンジを続けている。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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