「2年先の気象予測」提供開始、日本気象協会 企業の年間計画にも寄与:プロダクトInsights
日本気象協会(東京都豊島区)は6月11日、最長2年先までの気象予測情報の提供を開始すると発表した。海外への資材発注や経営計画の最適化のため、ビジネスシーンにおける1年以上先の気象予測ニーズが高まっている。
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日本気象協会(東京都豊島区)は6月11日、最長2年先までの気象予測情報の提供を開始すると発表した。サービス開始の背景には、海外への資材発注や経営計画の最適化のため、ビジネスシーンにおける1年以上先の気象予測ニーズの高まりがある。
これまでは、予測技術で担保できる長期予報の精度に限界があったこと、国の予報業務許可制度で認められていた予報の期間は6カ月先までだったことから、長期間の気象予報は難しかった。
しかし、日本気象協会は2019年度から、植田宏昭教授(筑波大学 生命環境系)と協力し、新しい気象予報の技術開発を開始。従来よりも精度が高く、予測期間の長い予測手法の開発に成功した。また、2023年に国の予報業務許可制度が改正されたことから、提供開始に至ったという。
同協会によると、2年先までの長期気象予測は、従来の長期予報よりも予測精度が高いという。現在提供している6カ月先までの月次の気象予測と比較すると、予測誤差に20〜40%の改善が見られた。また、2023年の月次気温予測を実施したところ、3月の極端な高温や7〜9月の記録的な猛暑といった特異な天候も、1年以上前から傾向を予測できたそうだ。
2年先までの長期気象予測ではその他に、月別・エリア別の平均気温、日照時間、降水量について具体的な予測数値、台風の接近数や梅雨明け時期などの予測も提供する。こうした予測データは、企業における翌年度の年間計画策定や資材発注、製造・販売・CM計画、新商品の開発といった場面での活用が期待されている。
サービス開始は2段階に分けて行う。2024年6月から1年半先までの予測を、2024年秋からは2年先までの予測情報を提供する。提供する予測情報は月別・エリア別の気温・降水量・日照時間、梅雨入り・明け時期、台風発生数などだ。
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