コラム
世界で「緑茶」ブーム? 国内市場は縮小を続ける一方、まだまだ大注目なワケ(3/4 ページ)
市場が縮小し続けている日本茶だが、視点を変えるとまだまだ成長の余地はありそうだ。
国内市場は衰退気味でも、輸出は増えている
緑茶にはさまざまな種類があります。例えば、「せん茶」「玉露」など多くの緑茶は茶葉の形がそのまま残っています。
一方でコンビニスイーツなどで使うことが多い「抹茶」は、粉末に加工した緑茶を指します。抹茶の原料は茶葉を蒸して、揉まずに乾燥させて作った「碾茶(てんちゃ)」。てん茶から葉脈や茎を取り除いて、石臼で挽いて粉末状にしたものから、抹茶が出来上がります。
せん茶などが販売を伸ばしきれない中で、抹茶はさまざまな料理やスイーツ、ドリンクなどに使用しやすいこともあり、多種多様な業界に広がっていきました。農林水産省によると、てん茶の生産量は毎年増加しており、2011年から2022年にかけて、3倍以上に成長しています。
抹茶は、京都・愛知・静岡で多く生産されています。中でも京都府宇治市と愛知県西尾市は有名な産地として知られており、宇治抹茶と西尾抹茶はブランド抹茶として有名です。
海外マーケットでの需要が高まっていることも影響し、緑茶の生産・輸入・国内消費がいずれも減少傾向で推移する一方、緑茶の輸出量は増加の一途をたどっています。2016年度に一度前年を下回った以外は、軒並み輸出量を増やしており、世界では超人気商品なのです。
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