2024年上半期の円安関連倒産は前年同期比14.8%増 産業別の最多は?
東京商工リサーチの調査で、2024年上半期の「円安」関連倒産は31件(前年同期比14.8%増)に達したことが分かった。
1ドル161円台に下落し、37年半ぶりの円安ドル高で歴史的な円安水準が続いている中、東京商工リサーチ(東京都千代田区)の調査で、2024年上半期(1〜6月)の「円安」関連倒産は31件(前年同期比14.8%増)に達したことが分かった。コロナ禍からの円安が2022年7月から24カ月連続で発生していることから最多を更新していて、企業収益に影響し物価の押し上げが懸念されている。
「円安」関連倒産を産業別でみると、最多だったのは卸売業が14件(前年同期13件)で、構成比45.1%と半数近くを占めた。次いで、小売業が9件(同3件)、製造業4件(同6件)だった。
負債総額は110億1500万円(同94.2%減)。前年同期に発生した携帯電話販売のFCNTなど3社で合計1775億円の大型倒産の反動で今年は減少となったが、一方で中小・零細企業へ深刻な影響を与えているという。
東京商工リサーチが6月に実施した調査で、2024年にメイン商品・サービスの値上げ意向を表明する企業は74.8%と、7割を超えた。帝国データバンクの調査では、2024年通年の飲食料品値上げ品目数の累計(主要食品メーカーのみ)は、11月までの予定分で1万86品目にのぼり、年間で1万品目を突破するのは調査を開始した2022年以降3年連続となる。
東京商工リサーチは「コロナ禍から平時に戻る中、売り上げ低迷から抜け出せない企業ほど新たな資金調達が難しい。円安に伴う仕入コストの上昇に見舞われると、価格転嫁も容易ではないだけに経営難に陥りやすく、倒産を押し上げる要因がそろい始めている」とコメントした。
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