ラーメン店の倒産、過去最多ペースで100件超えの可能性も 主な原因は?
帝国データバンクは、ラーメン店の倒産動向について調査・分析を行った。7月までの倒産は前年から倍増、主な原因としてラーメン原価の負担増が大きいと分析した。
帝国データバンク(東京都港区)は、ラーメン店の倒産動向について調査・分析を行った。7月までの倒産は前年から倍増、主な原因としてラーメン原価の負担増が大きいことが分かった。
ラーメン店経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、7月までに49件発生した。前年同期(29件)からほぼ倍増しており、過去最多となった2020年の54件を上回るペースで、初の年間100件台に到達する可能性も考えられる。
倒産の原因は人件費や電気代など店舗運営コストの上昇に加え、3年間で1割上昇したラーメン原価の負担増が大きいとみられる。
帝国データバンクが各種統計情報をもとにラーメンで使用する原材料のトータルコストを試算した「ラーメン原価(豚骨ベース、東京都区部)」によると、6月時点の指数は2022年平均比で113.5と、2年前から1割超の上昇となっている。最も上昇した2023年10月(124.4)に比べると上げ幅は小さいものの、依然として高止まりが続いている。
ラーメン作りに欠かせない豚肉や背脂は、枝肉ベースで前年比2割近く上昇、麺や海苔、メンマなどの具材も不作や円安で価格が高騰するほか、スープにこだわる店では24時間加熱するケースも多く、光熱費の値上げによる負担も大きい。
しかし、味を守るためにコストを下げることは難しく、原材料の値上げペースに耐え切れなくなった店や、値上げによって客足が減少した店で、閉店や経営破綻を余儀なくされたケースが多いとみられる。
集計対象は負債1000万円以上の法的整理による倒産。集計期間は7月31日まで。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ちゃんぽん界の絶対王者「リンガーハット」 値上げだけではない、不調が続く根本原因
リンガーハットの不調が続いている。ちゃんぽんでは目立った競合もいない一強状態ながら、なぜコロナ禍が明けても復活を果たせていないのか。
一風堂、原宿竹下通りに新店舗 インバウンド需要の獲得目指す
ラーメンチェーン「一風堂」を運営する力の源ホールディングスは7月27日、「一風堂 原宿竹下通り店」(東京都渋谷区)をオープンした。同店舗は東京都内26店舗目、原宿エリアでは今年4月にオープンした「一風堂 ハラカド店」に次ぐ2店舗目となる。竹下通り入り口すぐという立地を生かし、インバウンド需要の取り込みを図る。


