受注残高、繰越工事残高は高止まり
受注高は14兆5603億円と、3期連続で前期を上回った。14兆円台となったのは、2009年の集計開始以来初めて。種類別に見ると、建築工事が9兆2774億円、土木工事が4兆7736億円で、いずれも前期実績を上回った。繰越工事残高は4期連続で増加し、20兆1736億円だった。リーマンショック以降、初めて金額ベースで20兆円を超えた。
2023年の建設業倒産は1693件で、2年連続で前年を上回った。コロナ禍で疲弊した中小・零細規模で倒産が相次ぎ、今後は人手不足による工事中断や工期の長期化も懸念される。東京商工リサーチは「業界全体のトップラインを形成し、周辺業者をけん引する上場ゼネコンの動向は、下請け・孫請けの幅広い業種で成り立つピラミッド構造全体にも影響が及ぶ」とコメントした。
2009〜24年の3月期決算を対象に、連続比較が可能な上場ゼネコン53社で単体ベースの業績を集計・分析した。
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