キリン、新型無人フォークリフトで荷役作業を自動化へ 三菱重工と共同実証
キリンビバレッジ、キリングループロジスティクスは三菱重工業と共同で、飲料倉庫への入出庫とトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する実証実験を開始する。トラックの荷降ろしから荷積みに至るまで、一連の荷役作業を自動化することを目指す。
キリンビバレッジ、キリングループロジスティクスは三菱重工業と共同で、飲料倉庫への入出庫とトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する実証実験を開始する。実証実験の期間は8月から2026年3月までを予定している。「物流2024年問題」解決に向けて、倉庫作業の効率化を目指す。
物流業界における長時間労働の要因は長時間の運転だけでなく、荷積み・荷降ろしといった倉庫作業による荷待ち時間も影響している。そのため、物流オペレーター不足や重量物ピッキングへの対策といった、倉庫作業の効率化が課題となっている。
今回の実証実験は、三菱重工が研究開発を進めるプラットフォーム「ΣSynX(シグマシンクス)」によって自律化・知能化した新型AGF(Automated Guided Forklift:無人フォークリフト)を活用。トラックの荷降ろしから荷積みに至るまで、一連の荷役作業を自動化することを目指す。
具体的には、入出庫ソリューションの導入を想定した運用プロセスや、トラックへの荷積み・荷降ろし用無人フォークリフト導入を想定した運用プロセスの導出、有人フォークリフトと無人フォークリフトの協働作業時における、安全に関する考え方やルールを検証する。
キリンと三菱重工の両グループは、自動ピッキングに関する共同実証を2022年11月から2023年6月まで実施。物流現場への実効性が検証されたことから、2024年12月から海老名物流センター(神奈川県海老名市)で「自動ピッキングソリューション」が稼働開始する予定だ。今回の実証実験により、「ピッキング」「入出庫」「トラック荷積み・荷降ろし」の3領域における自律化・知能化に取り組む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
物流2024年問題の解決には、業界再編が不可欠ではないか
物流2024年問題の解決に向けて物流各社の改善努力は続いているが、抜本的な解決のためには業界再編による体力アップとネットワークの拡大しかないのではないか。
物流のムダどうなくす? 「保管効率」を上げる方法
物流には大きく6つの機能が存在する。「輸送・配送」「包装」「荷役」「流通加工」「情報処理」、そして今回フォーカスする「保管」だ。今回は、保管作業の効率を上げる方法を考える。
物流2024年問題で叫ばれる「多重下請撤廃」 それでも“水屋”がなくならないワケ
物流の「2024年問題」がいよいよ本格化していく。全日本トラック協会が「多重下請構造」について「2次下請までと制限すべき」と提言しているが、筆者はそう簡単になくならないと考えている。なぜかというと……。
物流を「コスト」と見なす人に欠けている視点
物流部門はしばしば「コストダウン」の標的になる。直接的な付加価値を生まないとみなされているからだ。しかし、その視点だけでは経営を誤った方向へ向かわせてしまうかもしれない。ロジスティクス・コンサルタントの仙石惠一が解説する。

