経営層の6割「AIスキルや知識に自信がない」 社員のスキルアップに与える影響は?
生成AIと人財戦略に関する調査から、経営層の57.0%が「AIスキルや知識に自信がない」と回答していることが分かった。経営層の考えは、社員のスキルアップにどのような影響を与えるのか?
アデコグループは、人工知能(AI)と生成AIが人財戦略に及ぼす影響に関する調査を実施した。
経営層の61.0%が「AIが各業界のゲームチェンジャーである」と回答した一方、「自社の経営陣はAIのリスクやチャンスを理解するのに十分なAIスキルと知識を持っていると思うか」という質問に対しては、57.0%が「同意しない」と回答。およそ6割が、自社の経営層のAIスキルや知識に自信がないことが分かった。
経営陣のAIスキルの有無は、社員のスキルアップにどのような影響を与えるのだろうか?
経営陣のAIスキルの有無 社員のスキルアップにどう影響?
経営陣がAIスキルや知識を十分に有している企業とそうでない企業では、働き手に提供するスキルアップ機会、ガイダンスに差が出るのか調査した。
その結果、AIのスキルアップ機会の提供は「(経営陣がAIスキルや知識を)十分に有している企業」が57%、「自信がない企業」が43.0%。AIに関するガイダンスの提供は「十分に有している企業」が65.0%、「自信がない企業」が50.0%だった。どちらにおいても、AIスキルと知識を十分に有している経営陣がいる企業の方が高いことが分かった。
アデコグループは、この結果を踏まえて「働き手にスキルアップの機会を提供し、組織全体でAIの理解を深めるためには、まず経営陣が学習に取り組む姿勢が必要だ」とコメントしている。
AI・生成AIやデータ活用などを得意とする高度IT人材が社内で不足した場合、どのように補うかを調査したところ、34.0%が「社内で育成する」、66.0%が「社外から採用する」と回答した。
アデコグループは、AIスキルを持つ人材を社外から採用する場合、社内の働き手のスキル不足を生み出し、賃金を押し上げる危険性があると指摘している。
調査は世界9カ国(日本、カナダ、米国、英国、ドイツ、フランス、スペイン、オーストラリア、シンガポール)の経営幹部2000人を対象に、2023年10〜12月に実施した。
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