「ピクトグラム」では良さが伝わらない…… ワークマン、機能の「格付け」を始めた背景 対ユニクロも意識か(2/4 ページ)
ワークマンが新たに、機能を基にした商品の格付けを開始する。どんな背景があるのか、小売業界に詳しい筆者が解説する。
4項目で5段階評価 機能性を分かりやすく訴求
ワークマンの店頭で商品を見ると、機能性を表現した商品が多いことに気付きます。商品タグには、東京五輪で話題になった「ピクトグラム」を活用しています。文字や言語に頼らず、視覚的な図記号で情報や注意を表す案内記号で、ワークマンの最も多機能な製品には14個もピクトグラムが付いています。ちなみに、ワークマンで使用しているピクトグラム数は全部で260個だとか。ただ、製品や製品タグにピクトグラムを付記しても、一般消費者(特に女性客)からは「分かりづらい」との声が多かったと同社の担当者は話しています。
発表会のスライドを見ても、消臭機能で5種類、抗菌機能で9種類など、さまざま存在します。ただ、どのピクトグラムが何を意味しているのかまでを理解するのは難しいのではないでしょうか。機能にこだわるあまり、機能の説明が複雑になり、商品特徴が逆に分かりづらくなり、消費者に伝わっていなかったのです。
そこで、新たに「耐雨度」「防寒度」「ストレッチ度」「美脚度」と4項目で5段階評価の格付け基準を作り、商品タグに格付け内容が分かる表記を付けることにしたのです。星の数で格付けを行い、その内容に応じて商品のグレードを示すことで、どこまでの雨や寒さ、伸縮に耐えられるのかを分かりやすくしました。
例えば耐雨度は「耐水圧」「透湿度」「撥水度」でレベル分け、そして耐雨度を5つのグレードに分類し、「小雨」「本降り」「豪雨」などどこまでの雨量に対応できるかを明示しています。
会社全体としてはデザイン性を高めつつも、本来の強みである機能性に特化し、より幅広い消費者にアピールするのが格付けですが、あらためて、なぜワークマンはこのような取り組みを始めたのでしょうか。そこにはワークマンの現状が関係していると筆者は考えます。
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