無期雇用派遣で「働いて良かったと思うか」 経験者の声は?
派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方「無期雇用派遣」を知っている派遣求職者は7割超――求人サイトを運営するエン・ジャパンが、そんな調査結果を発表した。派遣求職者は無期雇用派遣について、どのように捉えているのか。
派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方「無期雇用派遣(常用型派遣)」を知っている派遣求職者は7割超――求人サイトを運営するエン・ジャパンが、そんな調査結果を発表した。派遣求職者は無期雇用派遣について、どのように捉えているのか。
無期雇用派遣は、派遣先での就業期間が終了すると雇用契約も終了する「一般派遣(登録型派遣)」と異なり、就業期間が終了しても派遣会社との雇用契約が継続される雇用形態。一般派遣の場合、1人が派遣先の同一組織で働ける期間は最長で3年だが、無期雇用派遣の場合は派遣先企業が契約を継続する限り、何年でも同じ組織で働くことが可能だ。
また、同一の企業と5年を超えて有期労働契約が反復更新された場合に労働者が無期労働契約への転換を申し込めるルールは「無期転換ルール」と呼ばれている。
無期雇用派遣、認知度は7割超
派遣求職者のうち、無期雇用派遣について「名称も意味も知っている」とした人は39%。2023年に実施した同調査から16ポイント増加した。
また、「名称も意味も知らない」とした人は、2023年は49%と約半数を占めていたのに対し、2024年は29%で20ポイント減少。認知の広がりがうかがえる結果となった。
経験者は8% 働いた経緯は?
派遣求職者のうち、無期雇用派遣での勤務経験者は8%だった。
無期雇用派遣で働いた経緯については、「無期転換ルールで無期雇用派遣になった」が52%。「派遣会社の選考で採用された」が39%となっている。
経験者からの声は?
無期雇用派遣で働いた経験がある人のうち、「無期雇用派遣で働いて良かったと思うか」について「思う」とした人は67%(思う:25%、どちらかといえば思う:42%)。「思わない」とした人は33%(思わない:12%、どちらかといえば思わない:21%)を占めた。
具体的な理由を募ったところ、「思う」とした人からは、「仕事を失う不安感が少ないので、就業先でも自分の意見を出しやすい」(30代女性)、「職場環境が変わらないことで、仕事と家庭との両立もしやすく、業務経験を生かすことができた」(40代女性)といった声が上がった。
「思わない」とした人からは、「給与面はよかったが、派遣先の状況次第では離職の可能性があるという不安があった」(30代男性)、「派遣先の正社員と同等の業務をしていても、給与や賞与に差がある」(40代女性)といった声が寄せられている。
未経験者の関心は?
無期雇用派遣で働いた経験がない人のうち、無期雇用派遣で「働いてみたいと思う」人は23%、「今は思わないが興味がある」人は54%に。「人間関係などが良い職場であれば、長く勤務したい気持ちがある」(40代女性)といった声が上がっている。
「働いてみたいと思わない」人は23%となっており、「自分の生活に合わせて変更できるという派遣の良さが薄れているように感じる」(30代男性)、「安定した職を求めているので、紹介予定派遣の方が魅力を感じる」(40代女性)といった声が上がった。
調査は8月1日〜9月1日にインターネット上で実施。エン・ジャパンが運営する派遣情報サイト「エン派遣」の利用ユーザー1119人から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「無期雇用はお勧めできません」――ある派遣社員が法改正に翻弄された現実
ある30代の派遣社員女性に突き付けられた現実――。派遣社員を守るために設けられたはずの「改正派遣法」が、当事者を望まない方向に追い込んでいた実態が浮かび上がる。
派遣社員を選んだ理由、最も多かったのは? 「正社員になれなかったから」はわずか8.9%
総合人材サービス「ウィルオブ」を運営するウィルオブ・ワーク(東京都新宿区)は、派遣社員2757人を対象に仕事の選び方やキャリア感についての調査を実施した。その結果、派遣社員を選んだ理由については「時給が高いから」(40.0%)が最多となった。
タイミー社の躍進、背景に「短期派遣業の意外なルール」 ただの人材派遣とどう違う?
上場を発表し、大きな話題を呼んだスポットワークのマッチングサービス「タイミー」。類似サービスは過去にもあったのに、なぜタイミーは成長できたのか? 制度や労働基準法の観点から解説。





