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【マネーフォワード、フリーを徹底比較】なぜ、市場評価の明暗が分かれた?グロービス経営大学院 TechMaRI 解説(4/4 ページ)

マネーフォワードとフリーは、上場後も海外機関投資家から400億円以上を資金調達し、赤字を継続しながらも事業成長を実現させた。両社はコロナ禍で世界が激変する中で、両社は機関投資家とどう向き合ったのか。

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まとめ

 マネーフォワードとフリーの事例から、ユニコーンからデカコーンに向かうIR戦略の仮説を、以下の通り提示する。

理解ある株主を迎える

 SaaSビジネスのように、日本国内での知見が薄い領域では、国内の機関投資家から資金を十分に獲得できない場合がある。両社とも、英語でIRを行うコストを受け入れつつ、海外の機関投資家を株主に迎えている。機関投資家の信頼感を獲得できれば、継続的な支援につながり新たな資金調達も容易になる。

株主との対話

 2021年末の米国金融政策変化に端を発するテクノロジー株式市場の激動を受けて、機関投資家の期待値も変化した。対話を通じて機関投資家の期待を理解し、それを踏まえて事業活動を行うことが大切だ。

約束を果たす

 両社とも、上場後、過剰な期待を機関投資家に抱かせないように、細心の注意を払っている。機関投資家は、足元の業績に加えて、対話の中で経営者が何を言ったのか、それが本当に達成できたのかを重視している。発行体として何を伝えるか、慎重に言葉を選ぶ必要がある。また、約束を達成することが大切だ。

テクノベート経営研究所 副所長 /グロービス経営大学院 教員 高原康次(たかはら・やすじ)

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テクノベート経営研究所(TechMaRI)副所長。日本発デカコーン創出のためのリサーチを行う。

グロービス経営大学院の創造エコシステム構築や創造系科目開発・リサーチをリードする。

代表室ベンチャー・サポート・チームリーダーとしてユニコーンを100社輩出することをビジョンとしたグロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」を事務局長として立ち上げた。チームでは、グロービスの戦略的な投資プログラムを担い、約50社のベンチャーに投資を実施。民間公益活動向け助成金プログラムの審査員も務めた。

東京大学法学部卒業。


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