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お客はなぜ怒るのか? カスハラを生む原因と結果(5/5 ページ)

「お客さまは神様です」――。接客業で深刻化する迷惑行為「カスハラ」の定義や現状、企業と社会が取り組むべき対策を詳しく解説します。

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カスハラの対応策

 カスハラが起きた後の対応策も欠かせません。

 規定はあくまでもルールなので、実際の現場で生きる仕組みへの翻訳が必要です。具体的な事例と対処のトレーニングを実施することが良いと思います。

 企業ごとに、カスハラによる損害の程度は異なります。この損害の程度によって、企業の対応策は変わるでしょう。従業員を守るためにマニュアルの整備、メンタルヘルスケアや法務部門との連携強化など、組織的な支援体制を構築するための重要な要素となります。


仕組みで対応することも重要(出典:ゲッティイメージズ)

 カスハラ対策は、単なる従業員保護の枠を超えて、健全な顧客関係の構築と企業の成長に直結する課題となっています。各企業には、予防と対応の両面から対策を立てることが求められているのです。

 しかし、この問題の解決は、企業の努力だけでは達成できません。なぜなら、カスハラの規制や対処自体を悪用するケースが想定されるからです。だからこそ顧客と企業の新しい関係性の構築に向けて、私たちは粘り強く取り組む必要があります。

 カスハラがない、誰もが尊重され、安心して働ける社会の実現――。それは決して遠い理想ではなく、私たちの具体的な行動によって到達できる目標なのです。

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