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出張族が悲鳴! 都内ホテル「1万円の壁」どころか2万円台へ なぜこんなことになるのか(2/3 ページ)

都内のホテル価格が「1万円の壁」を超えて久しい。今後はさらなる価格上昇もあり得そうだが、一体なぜなのか。あらためて分析する。

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数は少ないが“太客”なのがインバウンド

 ホテル価格高騰の主要因はインバウンドの増加とされるが、具体的にはどういうメカニズムで値段が決まるのだろうか。

 「近年の高騰はインバウンド急増による実需に伴った動きですが、2つのパターンが見られます。1つは、官公庁が公表しているインバウンドに関連する統計や国当たりの消費額データを基に、価格を決定するものです。もう1つが、周りのホテルに合わせる手法で、インバウンドをメインターゲットにしないホテルはこちらの要因で値上げする傾向が見られます」(OTA関係者)

 都のデータを見ると、2023年度の旅行者数は日本人が4億7456万人、外国人が1953万人で、日本人がケタ違いに多い。一方、宿泊数では日本人の多くが「2泊以下」なのに対し、外国人は2泊以下が15.4%に過ぎず、3泊が16.9%、4泊が18.1%。7泊以上も25.9%で、数が多いのは日本人だが、外国人の方が“太客”であり、ホテル価格への影響もそれなりにあると考えられる。

 価格高騰が著しい2024年度はインバウンドが月300万人ペースで推移し、10月までの累計で3000万人を突破。コロナ禍前の水準を既に超え、同月までの累計で3000万人を超えたのは過去最速だという。


過去最速で3000万人を突破したインバウンド(出所:日本政府観光局リリース)

 円安の影響も大きいとみられる。単純計算で、2019年度より1.3倍も円安となっている。インバウンドの国別では韓国などアジア圏が多いが、購買力の高い欧米の観光客は長期で泊まる傾向があるとされる。

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