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なぜ星野リゾートは「マルチタスク」に取り組むのか? 独自の働き方改革が生んだ意外な効果長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)

星野リゾートでは従業員が「客室清掃」「調理」「レストランサービス」「フロントサービス」をマスターできるようにしている。その理由について取材した

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 日本は生産性が低い国と言われている。2023年の日本の1人当たり労働生産性(就業者1人当たりの付加価値)はOECD加盟38カ国中31位。主要先進7カ国で最低となっている。

 人手不足の中で、どのように効率的な働き方改革を進めるのか。労働集約型のホテル・旅館業で、ユニークな方法で労働生産性を高める取り組みを行っているのが、星野リゾート(長野県軽井沢町)だ。


星のや軽井沢。軽井沢は星野リゾート創業の地(出所:プレスリリース、以下同)

 伝統的に日本のホテル・旅館業では、各セクションで専門性を高めて、スペシャリストを育ててきた。例えば、フロントはフロント、レストランはレストランに専念することで、スキルを磨き、高いサービスを実現してきたのだ。つまり、究極までシングルタスクを追求することが最善とされてきた。

 それに対して、星野リゾートでは、1990年代より、国内外の施設ごとにサービスチームを形成して、マルチタスクにチャレンジしてきた。つまり、1つのタスクではなく、フロントもレストランも横断的に複数のタスクをこなせる人材を育成してきたのだ。

 これにより、フレキシブルなシフトが可能になり、繁忙期の人手不足にも耐性が高い組織になっている。その成果や、働き方の実態を取材した。


星野リゾートトマム、12月17日にリニューアルオープンしたニニヌプリ

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