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「PdM需要」が高騰 採用競争を勝ち抜く企業がしているアプローチとは?(1/2 ページ)

PdM需要が高まっている。各社が採用を強化しているが、求職者にどのようにアプローチしていくべきか?

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著者:芦野 成則

レバテック株式会社 リクルーティングアドバイザー

一橋大学を卒業後、官公庁に5年半勤務し、2019年にレバレジーズに中途入社。企業の採用支援を行うリクルーティングアドバイザーとして、多角的な視点から採用支援を実施

 デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する現代において、企業の競争力強化に欠かせない存在となっているのがプロダクトマネージャー(PdM)です。

 プロダクトの責任者であるPdMは、企画・戦略策定から設計・開発、販売まで全過程を統括。「ミニCEO」と評されることもあり、プロダクトの成功のために幅広い領域を管轄します。


PdMは、ミニCEOとも評される役割を担っている(画像:ゲッティイメージズより)

 しかし、その需要の高まりに反して、深刻な人材不足が多くの企業を悩ませています。本記事では、PdMの需要が高まっている背景とその役割、そして激化する採用競争における企業の対策について紹介します。

結局、PdMとは何者なのか?

 PdMは、プロダクトをビジネスとして成功に導く責任者です。市場分析、プロダクト戦略の策定、開発チームとの連携、リリース後のパフォーマンス分析まで、幅広い業務を担当します。

 具体的には、プロダクトの企画立案やビジネスモデルの設計、事業目標の策定、市場調査、製品設計、価格設定、開発進行の管理、さらにはUX(ユーザー体験)の向上など、プロダクトに関わるあらゆるプロセスに携わります。また、適切な意思決定を行い、プロダクトの方向性を定める役割を担います。

なぜ今、PdMが必要なのか? 需要が拡大し続ける背景

 PdMの需要が増加している背景にはさまざまな要因がありますが、ここでは主に2つのポイントに注目します。

(1)デジタル化と不確実な市場環境

 近年、デジタル化やDXの推進が急速に進み、IT企業のみならず非IT企業でもデジタルプロダクトの開発が進んでいます。また、現代は「VUCA時代」とも言われ、ユーザーのニーズは曖昧(あいまい)かつ急速に変化し、競争環境も複雑化しています。

 このような不確実性の高い市場において、プロダクトの企画から開発までを統括し、テクノロジーへの深い理解と柔軟な発想でユーザー価値を創出するPdMの役割が、企業にとって不可欠な存在となりつつあるのです。

(2)アジャイル開発の浸透

 アジャイル開発とは、従来のように開発の全工程を一度に計画するのではなく、短い期間(スプリント)ごとに開発と改善を繰り返す手法です。

 この手法の普及により、市場の変化に迅速に対応しながらプロダクトを開発・改善できるようになりました。しかし、アジャイル開発を効果的に進めるためには、単に手法を導入するだけでは不十分です。開発チームが円滑に動けるよう課題を整理し、適切に優先順位を付け、迅速な意思決定を行う役割が欠かせません。

 そこで、迅速かつ柔軟にプロダクトの方向性を示し、市場の変化に合わせて開発を推進するPdMの重要性がさらに高まっているといえます。

 上述したように需要が高まるPdMですが、国内における人材不足は深刻な状況です。当初、PdMのニーズは主にIT企業やベンチャー企業に集中していましたが、あらゆる業界でDXが進められるようになった現在、多くの企業でその需要が拡大しています。

 「DX白書2023」(PDF)によると、国内企業の約7割がPdM不足に直面しており、供給が需要に追いついていない状況が明らかになっています。


デジタル事業に対応する人材の「量」の確保 職種別(画像:IPA「DX白書2023」より)

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