「パーカーおじさん」はなぜ生まれた? ちょいワルおやじがビジネスシーンに与えた、無視できない影響(3/5 ページ)
年末に「パーカーおじさん」が議論を呼んだ。ビジネスシーンでパーカーを着用することの是非を巡ってSNSで意見が飛び交ったが、そもそもなぜパーカーおじさんは生まれたのか。歴史や背景を探る。
電力危機が発生した、2011年の東日本大震災後にこの流れはさらに強まり、カジュアルビズという流れも生まれました。カジュアルビズとは、既存のオフィスでの「スーツにネクタイ」というドレスコードを、よりカジュアルでラフなものにしようというトレンドです。環境省が当時定義していたクールビズファッションの「可否表」では、オフィスでカジュアルな服装をしたことのなかった人にも分かりやすく、基準がまとまっています。
ノーネクタイ、ノージャケットを推奨しており、半袖シャツもOK、沖縄のかりゆしシャツも可となっています。暑さが本格化する6月1日以降は「スーパークールビズ」として、ポロシャツやアロハシャツ、チノパンも可。中でもチノパンは、後のパーカー着用増加につながっていると感じています。
筆者も当時は「暑さが厳しくなってきた日本で、ネクタイは夏にも必要なのか」と疑問を抱いており、クールビズのような流れは今後強まるだろうなあと考えていました。
「ちょいワルおやじ」がパーカーおじさんの起源?
クールビズが始まった当時、日本のファッション誌で注目を集めていた雑誌が『LEON』で、“ちょい不良(ワル)おやじ”が流行語になりました。
LEONには、ありがちなカジュアルビズではない、おじさんがカッコ良く着こなす写真が山のように載っていました。筆者はLEONが、日本のオフィスシーンにおけるカジュアルビズの在り方を柔らかく提案していたように感じます。
スーツを着てもシャツの第2ボタンを外したり、時計や靴にこだわったり。中にはヴィンテージデニムにパーカーを合わせるコーディネートもありました。40歳パーカーおじさんは、この頃に登場していたのです。時を経て、50〜60代にもパーカーおじさんが多いのは、こうしたバックグラウンドがあったのです。
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