トランプ大統領「性自認の存在を否定」が物議 JPMorgan Chase会長は「受けて立つ」 強まる「反DEI」の流れ
大手金融機関におけるDEI(多様性、公平性、包摂性)に対する外部からの攻撃を受け、JPMorgan Chaseの会長兼CEOであるジェイミー・ダイモン氏は、活動家に対し「受けて立つ」と述べた。
大手金融機関におけるDEI(多様性、公平性、包摂性)に対する外部からの攻撃を受け、JPMorgan Chaseの会長兼CEOであるジェイミー・ダイモン氏は、活動家に対し「受けて立つ」と述べた。
スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム中に収録されたCNBCの番組「Squawk Box」で、1月22日に発言した。ドナルド・トランプ大統領が就任後に発令した一連の大統領令の直後である。これらの大統領令には、DEIに関する取り組みを撤廃または撤廃を目指す内容が含まれている。
「受けて立つ」 JPMorgan Chase会長の発言の真意
フォーラムでのインタビューでダイモン氏に、保守派活動家ロビー・スターバック氏らが主導する「ESG(環境・社会・ガバナンス)やDEIへの批判」について尋ねた。
「貴社を標的にする活動家がいるのでは?」との質問に対し、ダイモン氏は「本当に? それは知らなかった」と答えた。その後、記者が再度問いただすと、ダイモン氏は「まあ、受けて立つ」と語った。
大統領令にも揺るがないDEIの姿勢
トランプ大統領は、公共および民間セクターにおけるDEIに関する以下の少なくとも5つの大統領令に署名した。
- 1月20日:2023年にバイデン前大統領が設置した「公平性チーム」を撤回する
- 1月20日:全ての連邦機関の「DEIA」(多様性、公平性、包摂性、アクセシビリティー)プログラムを、名称にかかわらず閉鎖する
- 1月20日:性自認の存在を否定し、職場を含む単一性別の空間からトランスジェンダーの人々を排除する
- 1月20日:連邦政府の採用過程で性自認に関する議論を禁止する
- 1月21日:連邦機関に対し、民間企業にDEIプログラムの廃止を促すよう求める
この話題は、JPMorgan ChaseのCEOとの対話中にも触れられた。
ダイモン氏は、「まず、モニカー(名称やラベル)が好きではない。それは二項対立的に見えてしまう」と述べ、今後方針が変わることもあると認めつつも、同社は独自の方針に基づいて行動してきたと強調した。
「気候問題においても、私たちは常に独自の方針を採用してきた。そのため、左派や右派の人々から批判を受ける。だが、私たちは石油やガスの大手企業に最も多く融資している。それらの企業は、CO2削減において素晴らしい成果を上げている。また、私たちは太陽光発電や風力発電への融資でもトップを走っている」
さらに、ダイモン氏は次のように述べた。
「私たちは、黒人コミュニティー、ヒスパニック系コミュニティー、LGBTコミュニティー、退役軍人コミュニティーなどを引き続き支援していく。そして、どこへ行こうとも、赤い州でも青い州でも緑の州でも、自治体でも州政府でも、私たちの活動は好評を得ている」
最終的にダイモン氏は、「どちらか一方の側や特定の問題に迎合しようとしているわけではない」と述べた。
HR DiveはJPMorgan Chaseに追加コメントを求めたが、広報担当者はダイモン氏の過去の発言を指摘した。2023年に発表された文書では、同社のビジネスリソースグループや、黒人、女性、退役軍人、障害者のための地域支援への取り組みを強調している。
「このアプローチは、世界中で広範囲にわたる私たちの業務の中核であり、機能している」と当時ダイモン氏は述べた。
「私たちの取り組みが慈善事業やベンチャー型投資としての善意から発生したものであれ、良いビジネスとしてのものであれ、実際の成果を測るよう努めている」
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