なぜ、セブンは一部店舗で“要塞レジ”を導入したのか 開発期間は3年 ある種の威圧感はカスハラにも効果あり?(1/3 ページ)
セブンが一部店舗で、要塞のようなレジなどを中心に防犯対策を強化している。コンビニ強盗は減少傾向にある中、なぜいまこのような対策を進めているのか。
著者プロフィール
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
セブン-イレブンが、一部店舗で防犯体制を強化している。レジにはパネルを設置し、まるで要塞のような防備体制を敷き、不審者が乗り越えてカウンター内に入れないようになっている。また、深夜時間帯には自動ドアを閉鎖し、従業員がリモコンで開けるシステムを導入。今になってなぜ、こうした防犯を意識した店舗を増やそうとしているのか。背景には、人手不足の影響もありそうだ。
ALSOK、LIXILと3年がかりで開発
セブン&アイ・ホールディングス(HD)によると、新しい防犯対策の名称は「セーフティガードシステム」。現在は約50店舗でテスト導入をしている。担当者は次のように話す。
「主な機能は『レジカウンターへのパネル設置』『深夜時間帯のドア施錠』『転倒検知装置』の3点です。防犯面の強化に加え、バックルームでの作業中などに急病や事故が発生した場合に警備会社と速やかに連携でき、より安全かつ安心に働けるようにすることが目的です」
カウンターの前面にはフレームとパネルを設置し、不審者が乗り越えられないような構造になっている。リモコンによる開錠式ドアは深夜帯に作動。客が自動ドアに近付いても開かず、店員が確認してから開ける。転倒検知装置は店員に動きがない際、警備会社に通報する仕組み。店員が小型装置を身に付け、異常を検知する。これらのシステムはALSOK及びLIXILと3年かけて開発した。
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