“推し”を訪ねて三千里 会社を辞めたその先は? タイで見つけた新しい働き方(6/6 ページ)
“推し”中心の生活にするため、会社員という安定を手放しフリーランスになり、2023年7月からバンコクで新たな生活をスタートさせた古田さん。初めての独立や仕事探しへの不安を払拭できたのも、まぎれもなく“推し”のおかげだった。
“推し”で180度変わった自分の生き方。「今が一番幸せ」と胸を張って言える
古田さんは現在もバンコクに拠点を置き、語学学校に通いながらオンラインでできる複数の仕事をかけ持ちしている。もちろん、タイに移住する時の最大の目的だった“推し活”にも精を出している。
「日本にいたときのように渡航費がかからないので、いつでも“推し”に会える生活なんです。あまりに何度もイベントに参加するので、“推し”にも覚えてもらえました(笑)」とうれしそうに話す。
2024年には、イベントに参加するなど、138回の“推し活”をした。1年のうち3分の1以上の日数を“推し活”に費やしたことになる。年末には“推し”を追いかけて、ドイツ・ベルリンでのイベントにも遠征した。その道中でウズベキスタンやジョージアにも立ち寄ったが、その際もオンラインで仕事を続けていたという。
「“推し”のおかげで、人生が180度変わりました。“推し”のいる環境に移住し、好きな仕事をしながら自由に生きる。日本で精神的にどん底だった頃は想像もできませんでしたが、今は本当に幸せです!」
今後もしばらく“推し”を中心に生活する予定だが、先のことはあまり考えないようにしているという。
「“推し”を原動力に、とにかく今できることを一生懸命やる。その積み重ねが今を作っているし、未来につながっていくんだと思います」
“推し”の力で人生を切り開いた古田さん。その生き方は、これからも続いていく。
著者プロフィール・薬袋友花里(みない・ゆかり)
フリーランスの記者・編集者として、多様な生き方・働き方を紹介する記事の執筆、企業の導入事例や採用広報記事の作成、記事作成のコンサルティングなどを行う。海外企業の業務も受託し、リモートワークで外貨を獲得する仕事もしている。
国内外を転々としながらリモートワークするデジタルノマド生活を送る。約70の国と地域に渡航し、世界各地の辛い料理を食べることと魚市場めぐりが趣味。
1987年生まれ、山梨県出身。東京外国語大学卒業、東京大学大学院修了。読売新聞編集記者、在重慶日本国総領事館専門調査員、日本航空業務企画職(総合職)、oVice広報を経て現在に至る。
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