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「価格据え置き」でどこまで耐えられる? サイゼが物価高でも値上げせずにいられる理由(3/3 ページ)

飲食チェーン各社で値上げが続く中、耐え続けているのがサイゼリヤだ。同チェーンはさまざまな努力を駆使して、庶民の味方であり続けている。今回はその戦略を深掘りする。

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国内の苦境が続けば、値上げもやむなしか

 サイゼリヤは、ファストフードとレストランの中間に位置する「ファストカジュアル」化を進めているといわれている。ファストカジュアルとは、メニューをファストフードのように絞る一方、昼間だけでなく夜間の客も取り込もうとする業態だ。2000年以降、米国で拡大した。

 しかし、メニューを削減するといっても限界がある。同社は2005年以降、パスタなど1ジャンルに絞ったファストカジュアル業態をいくつか開発したが、本格展開に至っていない。仮に現在のサイゼリヤで肉料理を廃止すれば、客離れが進んでしまうだろう。

 国内事業の業績も芳しくない。2024年8月期の国内事業は売上高が1465億円、営業利益は27億円と前年の赤字から脱却したが、同793億円・116億円のアジア事業と比較して利益率はかなり低い。削減策が限界となれば、今後は値上げに踏み切る可能性も十分ありそうだ。

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


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