スタートアップを襲う「資金調達の長期化」、対策済はわずか「13.4%」
デューデリジェンスの厳格化などにより、スタートアップの資金調達が想定よりも長期化するケースは起こり得る。一方で、長期化に備えた対策を取っているスタートアップは少数派だ。
投資対象となる企業の価値やリスクを事前に調査するデューデリジェンスの厳格化などにより、スタートアップの資金調達が想定よりも長期化するケースは起こり得る。一方で、長期化に備えた対策を取っているスタートアップは少数派だと、マネーフォワードケッサイ(東京都港区)の調査で分かった。スタートアップの資金調達の長期化リスクを巡る現状とは。
資金調達が長期化したら?
想定していた資金調達期間は、42.9%が「1〜3カ月未満」。「3〜6カ月未満」が16.8%だった。
実際にはどのような期間で調達したのか。58.8%が「ほぼ想定通り」調達しており「想定より長期化した」のは20.3%だった。
なぜ長期化したのか。最も多かったのは「デューデリジェンスの精査が厳格化したため」と「市場環境の変化により投資判断に時間を要したため」で、いずれも「想定より長期化した」ケースのうち33.3%だった。その他、「追加の事業計画や財務資料の提出を求められたため」(同29.2%)が上位に入った。
今後の資金調達において、調達期間の長期化のリスクに備え「対策を検討中」は37.8%、「対策している」は13.4%にとどまった。「多くのスタートアップ企業で資金調達期間の長期化リスクに対する備えが不足しており、リスク管理など対応の遅れが課題となっている」と同社はコメントしている。
調査は1月22〜23日、同社が資金調達経験のある創業10年以内のスタートアップ経営者・役員119人を対象に実施した。
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