人手不足が叫ばれる中、企業は2025年度の人材採用についてどのような計画を立てているのか。帝国データバンクが調査した。
「正社員の採用意向」が最も高い業界は?
2025年度は「正社員の採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)企業は2024年2月の前回調査から2.7ポイント減の58.8%となった。2年連続で前の年度を下回り、新型コロナの影響が大きかった2021年度(55.3%)以来4年ぶりに6割を下回った。
企業規模別に「正社員の採用予定がある」割合を比較すると、「大企業」は83.6%と全体を大幅に上回った。一方で、「中小企業」は54.4%、うち「小規模企業」は35.9%となり、企業規模が小さいほど割合が低くなる傾向がみられる。
業界別で、採用予定とした割合が最も高かったのは「運輸・倉庫」で66.2%だった。「2024年問題」が関係すると考えられ、企業からは「ドライバーの高年齢化により退職者が増加している。このままではさらに運転手不足に陥るため、若手社員を増加させたい。また、女性ドライバーも積極的に採用したい」(一般乗用旅客自動車運送、中小企業)といった声が聞かれた。
新卒、中途といった採用形態別に見ると、どのような状況なのか。「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)割合は、「新卒新入社員」で37.1%、「中途社員」で51.0%となった。
企業規模別に「非正社員の採用予定がある」割合を見ると、正社員と同様、規模が小さいほど割合が低い傾向にあった。
割合が最も高い業界は、正社員と同じく「運輸・倉庫」(53.0%)で、その次が「農・林・水産」(51.5%)だった。企業からは、「雇用の多様性をもって人材確保に努める。高齢者雇用について力量評価をした上でのパート採用を積極的に行う」(一般貨物自動車運送、中小企業)や、「非正社員しか採用を行っていないが、もう少し売り上げが上がったら、正社員も採用したい」(米作農、小規模企業)といったコメントがあった。
調査は2月14〜18日、帝国データバンクが全国の企業に対して実施し、1万835件の回答を得た。
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