日本企業の「深刻なスキル不足」 アジアの中でも際立つ“ある傾向”とは
日本の企業の71%が「中程度から深刻な」スキル不足を経験している──人材サービスを提供するヘイズ・ジャパンがこのようなレポートを発表した。調査対象となったアジア6カ国地域の中で最も高い水準だという。各国と比較したとき、見えてくる日本企業の状況とは。
日本の企業の71%が「中程度から深刻な」スキル不足を経験している──人材サービスを提供するヘイズ・ジャパン(東京都港区)は3月27日、このようなレポートを発表した。調査対象となったアジア6カ国地域(タイ、中国、香港、日本、マレーシア、シンガポール)の中で、タイと並び最も高い水準だという。各国と比較したとき、見えてくる日本企業の状況とは。
アジアの中でも、日本はどんな傾向?
アジアの採用担当者の62%が「中程度から深刻な」スキル不足を経験し、さらに26%が軽度のスキル不足を感じていた。
スキル不足の主な要因として最も多かったのは「他社との競争」(47%)だった。他にも「給与水準」(33%)、「昇進機会の不足」(27%)が上位だった。
企業が特に採用に苦戦している職種は、中堅レベルの職種が最も多く55%。以降はマネジャーレベル(37%)、エントリー/ジュニアレベル(20%)、Cレベル(13%)、ディレクターレベル(12%)となった。
日本の採用担当者はアジアで最も深刻なスキル不足に直面しており、タイと並ぶ71%の企業がその影響を受けている。また、38%の企業のスキル不足の主な要因は「他社との競争」にある。
加えて、15%の採用担当者が今年の人員増を予定しているものの、具体的な増加率は未定だった。採用計画と並行して、31%の企業が社員の定着を優先事項とし、必要不可欠な人材の確保に注力している。
ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターのグラント・トレンズ氏は「日本では中堅レベルの職種が最も採用困難であることが判明しました。54%の採用担当者が中堅レベルの採用に苦戦していると回答しており、マネージャーレベル(46%)、エントリー/ジュニアレベル(19%)がそれに続きます」とコメントしている。
人手不足の中、企業はどのようなソフトスキルを求めているのか。最も重視されているのは「コミュニケーション能力および対人スキル」で、50%。以降は「他者との協調性」(27%)、「変化への適応力」(25%)と続いた。
調査は同社が、2024年後半の6週間にわたり、採用担当者3670人を対象に実施した。
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