コラム
「しつこく名前を連呼」「怒鳴られた」──これってカスハラ? 東京都「防止条例」で何が変わる?:4月1日施行(3/3 ページ)
4月1日から、東京都が「カスタマー・ハラスメント防止条例」(以下、カスハラ防止条例)を施行します。本条例では、あらゆる場面でのカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)を禁じており、カスハラの定義を詳しく解説しています。
もし自社の従業員がカスハラ被害に遭ったら……
もし自社の従業員がカスハラ被害に遭ってしまったら、会社は東京都のカスハラ防止条例や指針なども参考にしながら、顧客や取引先からの不当な要求に対して、毅然と対応する方針を定めるべきだと思います。
従業員がカスハラ被害に遭った疑いが生じた場合、企業内で情報を共有した上で、顧客の要求が妥当か、要求の仕方に問題がないかを検討し、顧客にどのように対応すべきか、対応方針を決めましょう。
場合によっては、会社が弁護士に相談したり、顧客対応を依頼したりすることも有効です。何度もしつこく店に来てカスハラを繰り返しているようなケースでも、弁護士から「今後のクレームは弁護士を通してするように」と一枚書面を送付しただけで、不当な言動が止むことも珍しくありません。
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