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「AI使いたくない」中小企業を“いつの間にか効率化”──弥生の新サービスに施された3つの工夫とは?

「AIと書いてあるだけで(難しそうで)イヤになる」中小企業の経理担当者や経営者に、意識せずともAIを組み込んだサービスを利用してもらいたい──。4月8日に正式リリースした「弥生会計 Next」で、弥生は何を目指すのか。

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 ターゲットは「AIと書いてあるだけで(難しそうで)イヤになる」中小企業の経理担当者や経営者。彼らに意識せずともAIを組み込んだサービスを利用してもらい、業務効率化だけではなく経営そのもの、事業そのものを成長させていきたい──。

 弥生の武藤健一郎CEOと、新製品の企画開発を手掛ける広沢義和氏(次世代本部 次世代戦略部部長)は、4月8日に正式リリースした「弥生会計 Next」について同日の記者会見でそう語った。

 同社が2023年10月に立ち上げたクラウドサービスの新ブランド「弥生 Next」の中核と位置付ける同サービスは、ターゲットである零細、中小企業のニーズを分析し、3つの点で「カンタン」なUIを追求したという。どのようなサービスなのか?

こだわった3つの「カンタン」

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左から弥生CEOの武藤健一郎氏、次世代本部 次世代戦略部部長の広沢義和氏(画像は同社提供、以下同)

 1つ目の「カンタン」は、使い始めで挫折させないことだ。 初期設定をシンプル化し、4つのステップとした。

 例えば新設法人の場合、起業したてで多忙な経営者にとって、この時にしか発生しない開業費などの処理が難しいこともある。このため、対話型UIで必要事項を入力すれば、会計ルールに則った処理が完了する仕様としている。

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 2つ目は取込・仕訳の簡便さだ。金融機関の口座やクレジットカードからの入出金データを取り込んでおき、担当者が必要な会計処理を行って会計帳簿に登録する。

 「必要な会計処理と言っても全く難しいことはありません。入手したデータの勘定科目への変換は、AIが推測して自動でやってくれます。基本的には(担当者は)取り込まれた内容を確認して仕分けに登録します」(広沢氏)

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 3つ目はドリンダウン、ドリルアップのいずれにおいても数字確認をしやすいことだ。会計業務において、さまざまな集計表や帳簿の行き来が発生し得る。集計表から個別具体の取引にさかのぼりやすい、または反対方向に確認しやすいように技術面で工夫しているという。

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中小企業はAI活用に消極的 それでも……

 「『AIって書いてあるだけでイヤになっちゃう』お客さんがいる」。武藤CEOがそう話すように、日本の中小企業は、先進国の中でもAI活用に消極的な姿勢が目立つ。このため、顧客向けにはAIを活用している点は強調せず「普通に使っていただいて『便利になっているな』(という状態)を目指している」という。

 「中小企業の皆さんが、AIが入っているということは『プロンプト書かなくちゃいけないのか』『AIについて分かんなくちゃいけないのか』となることはない。中小企業が『知らないうちにAIを使っている』世界に持っていきたい」(武藤CEO)

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