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「寿司1カン2000円」「30万円の中華料理」 強気価格が目立つニセコ、現地自治体の苦悩とは(6/6 ページ)
インバウンド向けの高価な飲食店が話題になることも多いニセコ。果たして実際はどのような現状になっているのか。現地の自治体などを取材すると、ちょっと意外な姿が見えてくる。
逆風の中でも「スキーの町」を強調
倶知安町には「レルヒ記念公園」という公園がある。その名前の主は「テオドール・エードラー・フォン・レルヒ」というオーストリアの少佐だ。倶知安町について著した『倶知安の八十年』(1971年、吉田 冨美雄編、倶知安町刊)によると、レルヒ少佐は1912年に旭川師団付きとなってスキーを指導。同年に少佐一行は倶知安に到着し、スキーで羊蹄山の登山を成し遂げたとの記述がある。
1972年、倶知安町はスキーを町技と定める「スキーの町宣言」を行った。町は公式Webサイトで、宣言に関して「スキーの町であることに誇りを持ち、町民だけではなく、この地を訪れる全ての人の豊かな未来に向け、世代を超え、これからも歩み続けていきます」と強調している。
観光客が多すぎるとして、オーバーツーリズムがわが国の社会的な課題ともいわれているが「スキーの町宣言」の中には、町を訪れる人に対する思いが込められている気がする。多くの媒体では「ニセコが高い」などと書かれ、筆者も実際に同じような印象を持っていたが、今回の取材を通じてその印象は変わった。
著者プロフィール
小林英介
1996年北海道滝川市生まれ、札幌市在住。ライター・記者。北海道を中心として、社会問題や企業・団体等の不祥事、交通問題、ビジネスなどについて取材。阪神タイガースをこよなく愛しており、体は酒でできている。「酒はライフラインだ」を合言葉に、道内や東京などで居酒屋めぐりをするのがライフワーク。
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