ECで買い物客は何に困る？ 見直すべき「検索」体験の向上：Retail Dive
オンラインで買い物をする際、よくある困りごとの一つが「欲しい商品が見つからない」ことである。こうした問題を解決するには、商品ページを分かりやすく整え、買い手の不安や気になる点を検索しやすい形で伝えることが大切だ。
オンラインで買い物をする際、よくある困りごとの一つが「欲しい商品が見つからない」ことだ。こうした問題を解決するには、商品ページを分かりやすく整え、買い手の不安や気になる点を検索しやすい形で伝えることが大切だ。
商品説明にある全ての情報が、ただの閲覧者を購入者へと変える力を持っている。これは、商品画像や動画、説明文、サイズや寸法、レビュー、色のバリエーションなど、さまざまな要素が含まれる。
「今の時代では、商品ページに載せる情報が本当に重要だ。Googleのためだけでなく、ネット上で商品ページを見に来る他のサービス、そして何よりも購入を検討するお客さまにとって欠かせない。なぜなら、そこで買うかどうかを決めるからだ」
パーソナライズドECサービスの米Lily AI（リリー・エーアイ）CEOで共同創業者であるプルヴァ・グプタ氏はこう語る。「だからこそ、購入前に必要な情報をすっきりと見やすく、分かりやすく、消費者目線で伝えることが必要だ。業界の専門用語ではなく、日常の言葉で説明すべきだ」
ECが主流になった今では、ネット上で商品を買う前に、正確な商品情報をはっきりと提示することが、信頼を得るカギになっている。Lily AIが米国の消費者約2100人に行った調査では、全体の8割が「探している商品が見つからないと検索をあきらめてしまう」と答えている。
買い物の中でも、検索の段階でつまずくと、体験そのものにマイナスの印象を持たれやすく、購入をやめてしまったり、納得せずに買ってしまったりする。
さらに、消費者の3分の2は「小売サイトの説明が分かりにくい」と感じており、欲しいものを見つけにくい原因になっているという。こうした状況に対して、過半数（54%）の人が、自分の好みをうまく伝えるために「スタイルを示す形容詞」などを使って検索している。
一部の人は、理想の一品を見つけるために、何度も検索したり、手間をかけたりする苦労を惜しまない。
もちろん、写真や動画などのビジュアル、そして説明文の内容はとても重要だ。Lily AIのデータによると、約4分の3の人が商品画像を重視し、6割はレビューを参考にしている。また、半数以上の人が「短くまとめた商品説明」を好み、3分の1ほどは動画を見て商品を判断している。
商品が検索されやすくするためには？
最近では、生成AIなどのAIツールが商品検索の世界でも活躍するようになってきた。2024年の小売業界のリーダーたちへの調査では、多くの企業がすでに「顧客の好みに応じて検索結果をカスタマイズしている」と答えている。AmazonやGoogleなども、AIを使った検索機能をどんどん取り入れている。
Lily AIの調査では、消費者の3人に2人が「店舗よりオンラインで買い物するほうが好き」と答えており、そのうちの40％はAI対応の検索エンジンを使った経験がある。そして、その中の61％がChatGPTを使っていたという。
The Modern Data Company（ザ・モダン・データ・カンパニー）のCEOで共同創業者であるスルジャン・アクラ氏は、「良い商品コンテンツを作るには、AIだけでなく人のクリエイティブな力も必要だ」と話す。先進的な小売業者たちは、商品コンテンツを「価値ある資産」として考え、消費者の検索方法に合わせて内容を磨き続けている。
アクラ氏は、検索されやすくするために、「自然な言葉で書かれた説明文を重視し、ロングテール検索や意味的な検索にも対応する形で最適化する必要がある」と言う。そして、情報を常に最新に保つことも大事だという。
「全ての基盤は、きれいに整理されたデータから始まる。つまり、属性が整い、構造化されたフォーマットで、検索エンジンが拾いやすいコンテンツであることが重要だ」とアクラ氏は説明する。「生成AIは、明確で構造化された、会話調のコンテンツを好む。FAQや比較ガイド、レビューなどを定期的に発信している小売業者は、AIの検索結果に出やすくなる」（アクラ氏）
またアクラ氏は、レビューや返品理由、検索履歴などから拾える「お客さまの不安や疑問」を、分かりやすい商品解説コンテンツに変えることで、期待に応えられると強調する。「お客さまが早く納得できる情報を見つけられれば、それだけ早く購入に至る」
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