2024年の「新設法人数」が過去最多 増加の背景にある起業者の高齢化
新設法人数が、2年連続で増加している。帝国データバンクが調査した結果、2024年に全国で設立された新設法人は15万3789社で、前年(879社)を上回った。
新設法人数が、2年連続で増加している。帝国データバンクが調査した結果、2024年に全国で設立された新設法人は15万3789社で、前年(879社)を上回った。集計可能な2000年以降で、年間最多を更新した。
起業年齢「60歳以上」が過去最多 増える「シニア起業」
起業時点での代表者の平均年齢は48.4歳で、前年(47.7歳)から0.7歳上昇し、2000年以降で最高齢を更新した。帝国データバンクは「起業・法人化する代表者の年齢は、近年急速な高齢化が進んでいる」と指摘する。
代表者を年代別にみると「40代」(32.0%)が最多となった。「30代」(18.9%)や「20代以下」(5.2%)など若年層、現役世代の起業は縮小する一方、シニア層や早期リタイア層の起業割合は上昇傾向にある。「50代」(25.2%)は20年ぶりの高水準となり、多くの一般企業で定年退職のボーダーラインとなる「60代」「70代」はともに2000年以降で最多となった。
法人格別では「株式会社」(10万868社)が最多となったものの、2年ぶりに前年を下回った。低コストで設立でき、利益配分面などで経営の自由度が高い「合同会社」(4万2133社)は前年から4.4%増加し、2000年以降で最多を更新した。
帝国データバンクは「近年は起業に加え、給与収入の延長線上で副業的に事業活動を行うパートタイム起業、定年退職でリタイアしたシニア層の1人起業など、スモールビジネス化の進行がみられる」とコメントした。
調査は帝国データバンクが保有する企業データベースのほか、登記情報などをもとに、2024年に全国で新設された法人を対象に実施した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「ゾンビ企業」、コロナ禍以降で初の減少 業種別で多いのは?
帝国データバンクが調査結果を発表した。
女性社長比率8.4%、低水準続く 5人に1人「75歳以上」
帝国データバンクは、国内約119万社の事業会社を対象に「女性社長分析調査(2024年)」を実施した。
「早期・希望退職」募集した企業、コロナ禍に次ぐ規模に
東京商工リサーチは、2024年度に「早期・希望退職」を募集した上場企業について調査した。「早期・希望退職」を募集したのは51社で、コロナ禍以降では2020年度に次ぐ規模だった。
24年度「コンプラ違反」倒産、初の300件超え 税金滞納による倒産最多
東京商工リサーチの調査によると、2024年度の「コンプライアンス違反」倒産は過去最多の317件(前年度比35.4%増)に達したことが分かった。




