続く“大規模リストラ” 人数比でリーマンショック超えの可能性も

[秋月かほ，ITmedia]

　日産自動車やパナソニックホールディングスといった大手企業が、人員削減を相次いで発表している。東京商工リサーチ（東京都千代田区）によると、2025年1月〜5月15日に、上場企業19社の「早期・希望退職募集」が判明した。前年同期（27社）より29.6％減少した一方、対象人員は8711人（前年同期4654人）と約2倍に急増している。

出所：写真AC

上場企業 早期・希望退職 推移（出所：プレスリリース、以下同）

2025年の早期・希望退職募集、過去最多更新の可能性も

　19社を業種別に見ると、「電気機器」（10社）が最多となった。同業種ではパナソニックホールディングスが国内外で1万人規模（国内は5000人規模の見込み）、ルネサスエレクトロニクスはグローバルで従業員約2万1000人の5％未満を削減すると発表している。

業種別（社数上位）

　損益別では黒字12社、赤字7社だった。黒字企業の募集人数は6380人と全体の約7割を占めた。ジャパンディスプレイや太陽誘電など赤字7社の募集人数は2331人という結果に。

損益別

　東京商工リサーチは「大手メーカーを中心に、中長期的な競争力強化や業績改善のための構造改革の動きが強まってきた。この状況が続くと、2025年の『早期・希望退職募集』は2000年以降最多だった、2009年の2万2950人を上回る可能性もある」とコメントした。

　調査は2025年5月15日公表分までの「会社情報に関する適時開示資料」と、東京商工リサーチの独自調査に基づく、早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計した。